ちっとも平らじゃないのに「宮前平」なぜ? 東急田園都市線 坂の街にある駅名の由来
なぜ電鉄は「平」を付けたかったのか
大平は、現在の宮前平2丁目の一部に該当します。駅から見ると北側に位置し、先述の通り急坂です。なぜ“平”なのでしょうか。
『地名用語語源辞典』によると、地名の「平」は「なだらかな平地」「山頂または中腹の平らな場所」を指す言葉だとあり、テーブルのような“一面真っ平らな地形”だけではありません。例えば長野県上田市の菅平も、山の中に盆地が形成されています。
大平も、矢上川の谷から登っていくと頂付近から平地が広がりますが、ここに現在、区役所や市民館、消防署などが集積しています。ちなみに「大」は接頭語で、「(山を登り眼前が)大きく開けた」からとされます。
そして、宮前平が電鉄由来の地名であることも見逃せません。不動産開発と一体で街を形成していった私鉄にとって、その場所のイメージ向上は重要なポイントです。駅名には「谷」や「窪」よりも「台」や「丘」を付けたがりました。「平」も「台」に通ずることから、イメージ戦略としては理にかないます。
ちなみに宮前平駅の隣、ひとつ渋谷寄りは宮崎台駅です。
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