ちっとも平らじゃないのに「宮前平」なぜ? 東急田園都市線 坂の街にある駅名の由来

東急田園都市線の宮前平駅は、電鉄が開発した丘陵地帯の中にあり、周辺はアップダウンの激しい地形です。しかし駅名には「平」とあります。一見矛盾するようですが、なぜでしょうか。

なぜ電鉄は「平」を付けたかったのか

 大平は、現在の宮前平2丁目の一部に該当します。駅から見ると北側に位置し、先述の通り急坂です。なぜ“平”なのでしょうか。

『地名用語語源辞典』によると、地名の「平」は「なだらかな平地」「山頂または中腹の平らな場所」を指す言葉だとあり、テーブルのような“一面真っ平らな地形”だけではありません。例えば長野県上田市の菅平も、山の中に盆地が形成されています。

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宮前平駅前から北西に上がる富士見坂。長く急で、登り切った先にかつての字名「大平」があった(2023年4月、大藤碩哉撮影)。

 大平も、矢上川の谷から登っていくと頂付近から平地が広がりますが、ここに現在、区役所や市民館、消防署などが集積しています。ちなみに「大」は接頭語で、「(山を登り眼前が)大きく開けた」からとされます。

 そして、宮前平が電鉄由来の地名であることも見逃せません。不動産開発と一体で街を形成していった私鉄にとって、その場所のイメージ向上は重要なポイントです。駅名には「谷」や「窪」よりも「台」や「丘」を付けたがりました。「平」も「台」に通ずることから、イメージ戦略としては理にかないます。

 ちなみに宮前平駅の隣、ひとつ渋谷寄りは宮崎台駅です。

【了】

【地図】宮前平の由来となった“平”の場所

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