“聖地”どう激変!? 過去を知るJAL機長が話す「下地島空港」の変遷 独特の駐機法は変わらず!
出る出る! 実は訓練空港時代と変わらない下地島空港のポイント
「下地島空港はパイロットとしては『第2のふるさと』のようなところですので、立派なターミナルができて観光地として下地島などに訪れる方は増えたことは、本当に嬉しいです。ターミナルがない時代は、空港の事務所を通り抜けて、宿場などに向かったものです。逆にかつてのすごくローカルな雰囲気が減ったのは、少しだけ寂しい気もします」(JALの木賀機長)
その一方で、「滑走路や空港のまわりの雰囲気は全く変わってないと感じました」とも。この日、全長60m以上ある777-200ERは、現旅客ターミナルから離れた、南側の管制塔がある区画へ、ターミナル方向に機首を向けない「横向き」で駐機。木賀機長によるとこれは、出発の際にトーイングカー(旅客機をけん引する車両)でバックせず、自走で前進・展開するためとのこと。このような駐機法なども、訓練空港時代と変わらないポイントなのだそうです。
ちなみに木賀機長は下地島空港での訓練について、次のような思い出を振り返っています。
「私は副操縦士時代に、ボーイング777への移行訓練で下地島に2週間程滞在して離着陸の訓練を行いました。訓練期間中は毎日天気が良く、コバルトブルーの海に浮かぶ真っ白な滑走路へ着陸し、『きれいなところへ着陸進入できていいな』と考えていました。ところが、最後の試験日は雲が低く風が強く、訓練中では経験したことのない悪条件でした。そのようななか、777への信頼性と、教官の方から教わったことを忠実にやれば大丈夫だ!と言い聞かせ試験をクリアしたことを覚えています」
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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