「え、本物!?」プラモの展示会に“九五式軽戦車”登場 里帰りの希少車 一般初公開の場になったワケ

NPO代表の「自ら発信せねば」の意味

 実際に展示された九五式軽戦車を見た来場者の反応はさまざまで、小林さんに聞いたところ最も多かった反応は「これ本物ですか?」という質問だったとのこと。なかには、「これは3Dプリンターで作ったんですか?」と、ある意味でホビーショーらしい質問をしてくる人までいたそうです。

 ミリタリーに日頃から興味のある人々のあいだでは、この里帰りした九五式軽戦車は比較的知られた存在になったといえるでしょう。しかし、世間一般から見れば、その知名度はまだまだ低く、会場で見ていた筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)の印象では、これが日本製の戦車だということすら知らない人が多かったように感じました。

 しかし、そのような会場の反応に対しても、小林さんは前向きな言葉を述べていました。「情報という字は『情けに報いる』と書きますよね。私は、情報とは集めるものではなく、こちらから発信することで、初めて反応が返ってくるものだと考えています。まずは知ってもらうところから始めて、本物の戦車を見て興味を持ってもらい、我々の活動の応援団になってくれればと思っています」

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NPO法人「防衛技術博物館を創る会」の代表理事である小林雅彦さん。九五式軽戦車の操縦も自身で行っていた(布留川 司撮影)。

 静岡ホビーショーでは九五式軽戦車の実物展示のほかに、小林代表がブースに立って質問に答えたり、映像やパネルを展示したりと、まずは認知してもらおうと積極的に動いていることが感じられました。

 小林さんいわく、今後もさまざまなイベントに九五式軽戦車を出展させる予定とのことなので、その際にはぜひ足を運んで、NPO法人の活動とともに本物の戦車の迫力を感じてみてください。

【了】
※誤字を修正しました(5月16日18時41分)。

【こりゃ貴重!】めったに見られない九五式軽戦車の車内&来場者の様子(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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コメント

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1件のコメント

  1. 何人乗りか知りませんが、こんな小さな戦車で戦えたのでしょうか。装甲も薄そうだし機関砲でも貫通しそうな感じで、実戦ではまったく役に立たなかったような貧弱な戦車です。人命軽視もいいところです。