財政難でも防衛費“爆増” ギリシャ空軍に新練習機が到着 F-35乗りも育成へ 隣国は警戒か
重要な練習機。
最新鋭機を増やすために練習機も必要。
ギリシャ空軍は2023年5月13日、ジェット練習機M-346「トレーナー」2機がカラマタ空軍基地に到着したと発表しました。同国に引き渡された初のM-346となります。
ギリシャ空軍では、F-16ブロック70、ダッソー「ラファール」、F-35「ライトニング II」といった最新鋭機の配備を進めています。それに伴い練習機も、旧式のT-2E「バッカイ」ではパイロット訓練の要件を満たせないとして、M-346への刷新が進められています。
同機はイタリアのアレーニア・アエルマッキ製ですが、ギリシャはイスラエルとの防衛協定の一環として、イスラエルのエルビット・システムズに10機のM-346取得と、飛行訓練学校の運営を委託する形で購入しました。カラマタに設立された飛行訓練学校では、イスラエル流の訓練が行われるようです。
ギリシャでは長年の緊縮財政により国防支出が低く抑えられていましたが、同じ北大西洋条約機構(NATO)の構成国でありながら、キプロス問題などで再び対立を深めているトルコへの警戒のために防衛費を大幅増額。2022年にはGDPの3.54%に相当する74億4000万ユーロ(約1兆1000億円)を支出し、戦闘機や練習機のアップグレードを行っています。
なお、トルコメディアはギリシャ向けのM-346が初飛行した4月、「F-35に乗務するパイロットを養成するためにギリシャが新しい練習機を導入する」と報じているなど、警戒を強めている様子がうかがえます。
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