レールつながった!金沢~敦賀125km「北陸新幹線」延伸開業まで10か月 そして「1日も早く大阪まで」
テスト運行はいつ頃から?
鉄道・運輸機構の藤田 耕三理事長は挨拶で「平成24(2012)年6月に実施計画の認可を経て、工事に着手して以来、沿線の皆さまの大変大きなご期待を頂戴しながら事業を推進してまいりました。開業時期の遅延や事業費の増大により、多くの方々にご迷惑、ご心配をおかけしましたが、これを契機として徹底的な組織、業務の改善を行いながら事業を継続してまいりました。これまでにも増して一層緊張感を持って開業に向けた準備を進め、 春の開業を迎えたいと心から願っております」と話しました。
続いて、斉藤 鉄夫国土交通大臣は「新幹線は開業効果の高い事業」とし、金沢~敦賀開業に関して「北陸の地域内の交流、北陸の地と関東、関西、日本各地、さらには世界との交流がますます促進され、観光、ビジネスの両面で広域的な経済活動が活性化されることが期待されます」と話しました。
また、杉本 達治福井県知事は「北陸新幹線の整備計画が決定され50年という節目の年度に開業を迎えられるというのは本当に嬉しい、ありがたい」とし、敦賀以西に関して「北陸新幹線は大阪まで全線開業することで効果が一番大きくなると考えております。1日も早く大阪までの全線開業することを祈念します」と挨拶。馳 浩石川県知事も「北陸3県が1時間つながるこの象徴の日というふうに受け止めたい」としたうえで、杉本知事同様に大阪までの全線開業への期待を滲ませました。
工事は現在、用地99.9%、土木100%、軌道はレール締結をもって100%、さらに建築は敦賀駅を除けば100%、電気設備はおよそ80%という段階まで来ています。
この先は、新幹線が高速かつ安全走行できるために、さまざまな項目をチェックする監査・検査段階に移り、JR西日本と鉄道・運輸機構が連携してプロセスを進めていくことになります。鉄道・運輸機構によれば、秋ごろには車両がレール上を走り始める見込みとのことでした。
会場となった芦原温泉駅は、2022年3月19日に駅西口の賑わい施設「AFLARE(アフレア)」がオープン。施設内には観光案内所や待合スペース、地域の観光情報などが温泉ふうの展示で楽しく学べる「ふくいミゅ~ジアム」が整備されています。
北陸新幹線開業まで1年を切り、沿線の自治体などではさまざまな開業イベントも行われています。レールの締結をもって、より一層、開業への機運が高まっていきそうです。
【了】
Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)
1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。
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