韓国の空母計画また変化? 披露された新立体モデルに“米空母っぽい装備”が 「我々はどのような要望にも対応」

韓国で開催中の防衛産業イベントに新たな韓国空母のスケール模型が展示されました。これまでのものとは明らかに異なる構造をしているほか、艦載機にも独自性が見られます。そのコンセプトについて出展企業に話を聞きました。

コンセプトモデル作成の目的は建造能力の提示

 その一番の理由は、韓国での空母建造計画が時期によって変化しているからです。CVX1~3の違いは、時々の考え方の変化をまさに反映しています。

 2019年より始まった空母建造計画は、当初は航空機運用力を兼ね備えた強襲揚陸艦クラスを想定していました。しかし、2021年には計画名がCVXに変更され、国産空母はより本格的なSTOVL方式のものへと拡充。さらに2022年には、韓国国産戦闘機KF-21の開発元であるKAIが、艦載機型「KF-21N」のコンセプト模型を発表したことで、これまで艦載機についてはF-35Bしか想定していなかったのが、それ以外の航空機を運用する可能性も考慮されるようになりました。

 その結果、アメリカやフランスの正規空母と同様のCATOBAR方式で計画される可能性まで出てきたと言えるでしょう。

「現代重工業」の担当者に、今回展示されたCVX 3のコンセプト模型についてハナシを聞くと、「我々がどのような要望にも対応できることをアピールしたもの」との回答でした。ただ、細部のスペックについてはノーコメントばかりで(艦載機の搭載機数も不明とのこと)、その多くが非公表か、そもそも具体的に内容が決まっていないような印象を筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は受けました。

 つまり、受注する可能性がある企業としては、計画の状況を見守りつつも、いざ建造が決まった際は、どのような要望にでも対応できるよう準備しているということなのでしょう。

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「CVX 3」の飛行甲板後部にはアレスティング・ワイヤーによって着艦するKF-21の姿が見える(布留川 司撮影)。

 とはいえ、CVX計画については2022年の韓国の政権交代によって見直され、今年度はその予算も計上されていません。

 また、空母を実際に運用するには、船体以外にも整備する必要があるものが数多くあります。説明してくれた担当者も「航空機の選定と配備、パイロットや乗員の育成、継続運用の為の補給と整備ラインの構築、空母を運用するには、船以外に多くの決めるべき要素があります」と語っていました。

 空母は、その国の海軍にとっては、戦力以上に注目を集めるシンボル的な存在感を持つものです。アメリカ海軍は莫大な予算を掛けて世界最大規模の空母艦隊を複数維持し、中国海軍は急速なスピードで国産化と戦力化を進めています。海上自衛隊はアメリカ海兵隊のF-35Bで運用試験を行い、同機の運用能力を護衛艦「かが」付与すべく改修工事を実施中です。

 韓国の空母建造については、当初から同国海軍の規模に合わない計画だと言われていましたが、今回の現代重工業のような動きを見ていると、国内防衛企業での下準備は着々と進んでいるような印象を受けました。

【了】

【写真】えっ…! これが韓国の「なんかアメリカっぽい」新型空母です

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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