“共食い” 終わるか? ロシア旅客機「スホーイスーパージェット」今秋から国産エンジンへ
アビオニクス類は大丈夫なの?
ウクライナ侵攻に伴う禁輸措置で換装へ
ロシア国営のタス通信は2023年6月20日、UAC(ユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション)が開発した「SSJ(スホーイ・スーパージェット)100」について、新型の国産エンジンPD-8を搭載した新モデルが今年秋からテストを開始する予定であると明らかにしました。
SSJは座席数68から100程度の、通路が中央1本のみとなっている、いわゆるナローボディといわれる双発タイプの旅客機です。エンジンはフランスとロシアの合弁企業であるパワージェットが開発生産する「SaM146」ターボファンエンジンを搭載していましたが、2022年2月に始まったウクライナ侵攻で、フランスを始めとした西側各国がロシアに対して精密機器などの禁輸措置を発動したため、新造機にこのエンジンを搭載するだけでなく、既存機のエンジン整備についても部品供給が難しくなっていました。
一部報道によると、SaM146の構成部品の中でもアメリカ製のイグナイタープラグと、フランス製の燃料フィルターが問題視されたとのこと。そこで、UACは自国内で開発した別エンジンをSSJに搭載することを模索しており、このたびのエンジン換装に至った模様です。
なお、PD-8エンジンはすでにIL-76輸送機などに搭載されて耐空試験を実施しており、今後はSSJに搭載し、地上試験を行ったのち、飛行試験へと進む予定です。
【了】
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