「スペーシアX」は正当進化か 東武100年の豪華特急列伝 いつの時代も“国鉄キラー”だった?

まもなくデビューする東武鉄道の新型特急「スペーシアX」。設備の豪華さに目を見張りますが、歴代の特急も時代を先取りする仕様でした。100年近く継がれる系譜をたどってみます。

廃車されたトク1形500号、まさかの復活

 1935(昭和10)年には、早くも専用の特急形電車デハ10系が投入されています。デハ10系は、長距離運行に対応したトイレや洗面所を備え、シャンデリア風の豪華な室内灯も備えていました。大半の座席は座席間隔1780mmの固定式クロスシート(一部ロングシート)ですが、半室運転台の横は座席間隔880mmの転換式クロスシートとなっており、前面展望が可能でした。

Large 20230711 01
豪華展望客車トク1形500号(東武博物館所蔵)。

 デハ10系は、浅草雷門(現・浅草)~東武日光間を2時間17分(表定速度59.3km/h)で運行しました。当時の鉄道省(現・JR)の特急「櫻」が表定速度51.6km/hでしたから、かなりの速達列車といえるでしょう。

 しかし太平洋戦争中の1942(昭和17)年、東武特急の運行は中断されます。トク1形500号は1943(昭和18)年に廃車となり、デハ10系もロングシート化されました。

 戦後の1948(昭和23)年、進駐軍専用列車に日本人が乗車できるようになり、「華厳」「鬼怒」として特急が復活します。デハ10系は性能改善、オールクロスシート化のうえ、クハ350形・モハ5310形に改番されて、再び特急列車として走り始めます。

 そして廃車されたトク1形500号も、観光団体列車用として改造・復活します。開放式だった展望台は円形テーブルとソファを設けた密閉式となり、料理室、随員室、ボーイ室はスタンドバーに改められました。トク1形500号は1949(昭和24)年より、特急電車に連結。1950(昭和25)年からは定期運用として、土曜日の下りと日曜日の上りで運行されるようになりました。

 1951(昭和26)年、5700系電車が新造されます。これはライバルである国鉄が、上野~日光間に快速「にっこう」を設定したことがきっかけでした。東武鉄道は新車で対抗したのです。

 5700系は車体長18m、幅2.8mで、デハ10系より車体長で20cm、幅で10cm広い大型車体でした。内装は座席間隔970mmのオール転換式クロスシートで、当時としては先進的な蛍光灯照明を備えていました。白熱灯よりもずっと明るかったので、浅草駅で下車した乗客が暗いホームに驚いて、しばらく歩きにくかったそうです。

【100年前から遜色なし?】歴代東武特急の「内装」写真で見比べ!

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス