「スペーシアX」は正当進化か 東武100年の豪華特急列伝 いつの時代も“国鉄キラー”だった?

まもなくデビューする東武鉄道の新型特急「スペーシアX」。設備の豪華さに目を見張りますが、歴代の特急も時代を先取りする仕様でした。100年近く継がれる系譜をたどってみます。

国鉄を意識した車両を次々開発

 5700系の車内には大型の真空管アンプやレコードプレーヤーを備えた放送室があり、女性乗務員が車内放送やレコード演奏をしていました。こうした豪華列車の登場により、クハ350形・モハ5310形は東武東上線用の特急として転属。同じころ、トク1形500号も引退しています。

 そして1956(昭和31)年、早くも新型特急車両1700系が登場しました。1700系も国鉄を多分に意識し、速度と接客設備向上を目的として製造された車両でした。というのも東武鉄道は、国鉄が日光線へ特急形電車を導入するだろうと考えていたのです。座席はリクライニングシートとなり、ビュフェや売店も設けられました。最高速度も105km/hとなり、浅草~東武日光間の所要時間は1時間59分となりました。

 1959(昭和34)年、国鉄日光線が電化されると、特急並みの設備を持つ157系電車が投入されます。危機感を抱いた東武鉄道は、1700系に冷房を搭載し、さらに新型特急1720系を開発して、1960(昭和35)年に投入しました。これが「デラックスロマンスカー」と呼ばれる車両です。

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「デラックスロマンスカー」こと1720系。東京都墨田区の「東武博物館」で静態保存されている(安藤昌季撮影)。

 1720系「デラックスロマンスカー」は、国鉄1等車並みの座席間隔1100mmを誇るリクライニングシートを備えていました。また、200曲を収録したミュージックボックスを備えたフリースペース「サロンルーム」も、電話室と共に設置されています。所要時間は1時間46分に短縮されました。

 客室の仕切り扉には、日本で初めて自動ドアが導入されました。これは当時、「マジックドア」と驚かれています。2か所のビュフェを拠点としたシートサービスも行われていました。あまりの豪華さに、運行から20年を経た1980年代の鉄道誌でも「日本一豪華な私鉄特急」と紹介されたほどでした。

【100年前から遜色なし?】歴代東武特急の「内装」写真で見比べ!

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