「南シナ海のさらに先まで!」米空軍の戦略爆撃機B-52史上初めてインドネシアへ展開 その意味は?
アメリカ空軍の戦略爆撃機B-52が2023年6月、インドネシアに初めて展開しました。現在、オーストラリアに分遣隊が配置されていますが、それとは何が違うのでしょうか。実は「さらに前に出られる」ということが重要のようです。
オーストラリアとインドネシア、実は違う意味合いが
2023年6月19日、アメリカ空軍はインドネシアとの共同訓練「ラトマ・コープ・ウエスト23」(Latma Cope West’23)に参加すべく、史上初めてB-52「ストラトフォートレス」戦略爆撃機を同国に派遣しました。これには、どういった意図が込められているのでしょうか。
ラトマ・コープ・ウエスト23は、アメリカが主催した「自由で開かれたインド太平洋」の観点に基づくLSGE23(Large-Scale Global Exercise 2023:大規模広域訓練23)の一環として実施されたものです。
アメリカ空軍はすでに2022年10月、オーストラリア北部のノーザンテリトリー(北部準州)にある同国空軍のティンダル基地へB-52の分遣隊を配置し、これに合わせて大型のB-52用駐機場(エプロン)や整備施設、飛行隊が展開するのに不可欠な兵舎や関連施設の整備、滑走路の拡張などを行ってきました。
このように、ティンダル基地に関しては短期派遣でなく本格的な駐留であり、キャパシティー的には限界があるものの、仮に増援のB-52が飛来しても、必要なメンテナンスを提供可能な準備は整っているといえるでしょう。
ちなみにB-52は、かつては戦略「核」爆撃機でしたが、現在では、核攻撃任務だけでなく、その長い航続距離と大きなペイロードを活かして「ハープーン」対艦ミサイルや長距離巡航ミサイル「ALCM」などを搭載し、海洋制圧機としての任務も担うことができます。
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