「南シナ海のさらに先まで!」米空軍の戦略爆撃機B-52史上初めてインドネシアへ展開 その意味は?

国際空港に展開したというのがポイント

 こうしたアメリカの動きの背景には、2022年4月に中国とソロモン諸島のあいだで締結された安全保障協定が大きく影響しています。同諸島に加え、南シナ海で周辺国による領有権問題が起きているスプラトリー諸島(中国名、南沙諸島)も、B-52であればティンダル空軍基地から到達可能です。さらに、必要なら中国本土へも足を延ばせます。

 つまり、オーストラリアへの配備は、近年著しい中国の太平洋エリアへの進出に対する牽制、同盟国オーストラリアの周辺海域に加えて同国とアメリカを繋ぐシーレーンの防衛強化への助力であり、いざとなれば中国本土への核攻撃も実施できるという重要な意味合いを含んだものといえます。

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アメリカ空軍のB-52H戦略爆撃機と編隊飛行するインドネシア空軍のF-16戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 それに加えて、今回の「ラトマ・コープ・ウエスト23」演習で、B-52がインドネシア北西部の北スマトラ州メダンのクアラナム国際空港に展開しました。同機の離着陸には長い滑走路が必要ですが、大型の国際線旅客機が離着陸できる国際空港なら問題ありません。展開したのは、アメリカのノースダコタ州マイノット空軍基地駐留の第23爆撃飛行隊です。

 ただ、今回はあくまで「展開」であり、ティンダル空軍基地のような「配備」ではありません。ゆえに、インドネシアではせいぜい燃料補給ぐらいしか行えませんが、重要なのは、クアラナム国際空港でB-52の離着陸が可能だと確認できたことです。しかも、国際空港なのでエプロンや駐機場などが広く、有事には整備部隊がティンダル空軍基地から展開しても受け入れ可能な素地があります。

【歴史的!】インドネシアの空港に展開した米空軍B-52爆撃機ほか(写真)

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