ウで大活躍「パトリオット」のレーダー製造工場へ潜入 フル稼働していないワケとは

巨大工場の特徴は「垂直統合」

 検証が終わると、続いて各部品の製造がはじまります。アンドーヴァー工場には、レーダーを含めた電子機器には欠かせない半導体と、電子機器の性能を飛躍的に高める「窒化ガリウム(GaN)」をイチから製造する「GaNファクトリー」が置かれています。

 ここで製造された半導体は、続いて「レーダー生産ライン」に送られます。ここでは、半導体を各種の基盤回路に組み込んでレーダーの送受信モジュールを製造したり、レーダー用の各種金属部品を製造したりしています。

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レーダーの送受信モジュールを製造する「アドバンスド・マテリアル・アセンブリ・ファクトリー」の様子(画像:レイセオン)。

 そして、これらの各種部品が最終的に集められるのが「ハードウェア・インテグレーション・センター」です。ここですべての部品が組み合わさって、ひとつの大きなレーダーが組み立てられます。

 このように、半導体から金属部品に至るまであらゆる構成要素をイチから製造し、それを組み立ててひとつの製品を製造する様子を、レイセオン社では「垂直統合」と表現していますが、アンドーヴァー工場ではまさにこの垂直統合を視覚的に体験できました。

 そして取材を通じて感じたのは、この「垂直統合」に加え「自動化」と「拡張性」という3つのキーワードです。順に見ていきましょう。

【写真】ウクライナ軍総司令官からの感謝状 ほか、工場の様子

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