「その“F-16”を下さい!」デンマークが放出する中古はどこへ? 本命ウクライナ 是が非でも欲しい国も

全てのF-16がウクライナに行くわけではない?

 アルゼンチン空軍に関してはもっと深刻で、2015年に保有するフランス製の「ミラージュIII」戦闘機全機の退役を決定して以降、超音速の戦闘機がゼロとなっており、一刻も早く超音速戦闘機の復活を実現したいという思惑があります。

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アルゼンチン軍が運用している数少ないジェット軍用機のA-4AR「ファイティングホーク」(画像:アルゼンチン空軍)。

 さらにアルゼンチンは、フォークランド紛争の影響で、イギリスからの武器禁輸措置がかかっており、他国のものであってもイギリス由来の技術が使われている軍用機の購入に制約がかかります。今回のF-16を逃すと、当分、新たな戦闘機を望めない可能性もあるのです。

 2023年2月にはアルゼンチンへデンマーク空軍とアメリカ空軍、製造しているロッキード・マーチンの代表者が訪問し交渉をしたそうですが、その最終決定が出る前に、今回のウクライナへの供与の可能性が出てきました。

 この件に関して、アルゼンチン空軍の幹部は全てのF-16をウクライナに供給する意味の発表はまだ出ていない点に触れ、アルゼンチン空軍へF-16が来る可能性はまだあることを地元報道陣に強調したようです。しかし、同空軍は同時に、現在防空任務などで使用しているA-4AR「ファイティングホーク」の維持管理や武装のアップデートの重要性にも触れたようで、F-16の購入が許可されなかった最悪の事態も想定しているようです。

※7/06 19:30 一部修正しました。

【了】

【オランダ空軍のF-16を勝手に…?】共同訓練を大胆なイタズラで歓迎するデンマーク空軍(写真)

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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