電動キックボード以上にカオスすぎる…警察が頭抱える「ペダル付き電動バイク」の車両区分 国交省が街頭検査へ

車種区分を見極めることは、所有者や運転者にも必要

 原付とみなされるペダル付き車両が、ナンバープレート(課税標識)なしで自賠責保険にも加入することなく、自転車として公道を走行することは、四輪車と同じ重大な不正行為として位置付けられています。1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

 ただ、車両検査制度のない原付のような車両は、街頭検査などの実績がありませんでした。今年1月16日には、ペダル付き原付を「電動アシスト自転車」と表示して売り出した京都市中京区の自転車販売店が不正競争防止法違反(誤認 惹起)容疑で書類送致されましたが、所有者への指導より適正な販売の指導を優先することで、適法な車種区分での走行を維持しようとしてきたのです。

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国土交通省もペダル付きバイクの街頭調査に乗り出す(中島みなみ撮影)。

 しかし、特定原付のように免許不要で運転などの知識が浅い利用者が、自ら市区町村への届出や自賠責保険の加入を自分自身で行わなければならないケースが今後は増えていくうえ、海外仕様のまま届けられる車両に対応するためには、販売者だけでなく所有者にも、車種区分を見極めてもらう必要があります。

 国土交通省は、こうした小型パーソナルモビリティの街頭検査を実施するための必要な要件を整えて、実施に踏み切る予定です。

【了】

【え…】これが数千台規模で整備される「ペダル付きでも“漕げない”電動バイク」です(画像)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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