今さら「延伸案」も!? 北陸鉄道石川線の始発駅「野町」はなぜあんなに中途半端なのか

北陸鉄道石川線について、その存廃を巡る結論が2023年8月にも出る見込みです。利用者減による赤字が最大の要因ですが、路線図を見て気になる点があります。それは金沢市中心部へ達していないこと。なぜ始発駅ははずれにあるのでしょうか。

実は2つもあった野町駅の"その先”

 石川線はもともと、1915(大正4)年に鶴来~野々市(現・新西金沢)間が開業したことに始まります。その後、貨物輸送を行おうと犀川のほとりまで延伸計画が持ち上がり、まずは翌1916(大正5)年に1区間、野町駅までが開業しました。

 しかし以降は用地買収が進まず、計画を犀川のほとりから手前の西金沢駅(後の白菊町駅:現在は廃止)までに短縮。野町駅から西金沢(白菊町)駅までは同年中に開業しました。白菊町駅は野町駅よりは香林坊に近いですが、やはり川を渡らなければいけない位置にありました。

 同区間は1972(昭和47)年に廃止(旅客営業はその2年前に終了)され、以降は野町が始発駅になっています。

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野町駅。現在は終点だが…(大藤碩哉撮影)。

 では、昔から市中心部へアクセスする手段はなかったのかというと、そうではありません。北陸鉄道は金沢市内線という路面電車を運行しており、これが野町駅に接続していました。最盛期には、野町駅前から香林坊や武蔵ヶ辻を経由する系統も運行されており、決して「ポツンと始発駅」ではありませんでした。

 しかしモータリゼーションに伴う赤字や交通渋滞などの影響により、路面電車は1967(昭和42)年2月までに全廃されています。

 つまり現在の野町駅は、廃線により接続を失い取り残された結果というわけです。もし検討会で挙がった一案「香林坊延伸」が実現すれば、半世紀以上の時を超えて、市中心部直通が復活することになります。

【了】

【航空写真】野町駅がつながっていた頃

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