「あれ、けっこう速い」路線バスに続行する自動運転バス 埼玉で実験中 道路もちょっと変えた
まるで未来のバス?自動運転バスに乗ってみた
西武バスは7月12日(水)の実証実験初日、自動運転の様子を公開しました。車内に入ってみると、運転席の後部に設置された巨大なモニターが目につきます。このモニターには、車内外の至る所に設置されたカメラの映像や、現在使用している自己位置の取得方法、どの部分を自動制御しているか、信号の色などを認識して表示するようになっています。
走行中は基本的にSLAM(事前作成した3Dマップ)モードで走行し、上空の歩道橋や街路樹により電波が微弱となる「ひかり橋」停留所付近で、SLAMとTLP(ターゲットラインペイント)を組み合わせたモードに切り替わりました 。「GNSS」モードは上空に遮蔽物がない飯能駅のロータリー付近で使用しているそうです。
通常、飯能駅南口~美杉台ニュータウン間は約8分ですが、今回は全ての停留所に停まり、安全を確認しながら走ったため、約15分を要しました。とはいえ、スピードは36km/h程度で極端に遅いわけではなく、揺れも少なく乗り心地は上々でした。基本的には自動運転モードで走りますが、現時点では道路上の駐車車両を自動で避けることはできないそうで、その場合は手動運転に切り替えていました。
自動運転バスは、西武バス飯能営業所に設けられた遠隔監視室から監視。このシステムは映像分析AIを活用しており、危険な物体を察知してアラート表示する機能も備えています。また、車両に取り付けたドライブレコーダーを通して、AIが道路の劣化状態などを判断するシステムも使用しています。道路の劣化状況の確認はバス運転士の業務でもありますが、こうしたシステムで負担軽減が見込めるといいます。
今後の見通しについて、西武バスの石田知大 次世代モビリティサービス推進担当 兼プロモーションスタッフ 主任は「バスの自動運転は、車内における運転以外の業務も解決する必要があるため、実用化には時間がかかると考えています」としたうえで、「少子高齢化による乗務員減少への対応だけでなく、自動運転によって路線バスの安全性を向上させることも視野にいれています」と話します。
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