どうして魅力が薄れていったのか バス乗務員不足 帰結としての「廃止減便の嵐」 賃金upにはメドも?

バス事業者はどんな手を打ってきたのか そして壊滅的に

 何とかこの状況下で乗務員を確保するため、バス事業者は2000年代ごろを境に、普通免許保有者を採用して会社負担で大型二種免許を取得させる「養成制度」を多くの事業者で始めました。また、近年は順次定年も65歳へと延長されていますが、定年退職後も再雇用で乗務員を続けてもらうケースが多く、特に地方では70歳代の乗務員も珍しくはなくなり、60歳以上の乗務員の割合は23%ほどになっています。

 女性乗務員の採用も積極的に進められてきました。2022年7月末現在の女性運転者数は乗合が236事業者1388人で、貸切の約200事業者357人と合わせると1745人が活躍していますが、全運転者に占める割合は2%程度に過ぎません。やはり営業所施設をはじめとする就業環境整備が追いついていないことや、バス乗務員の勤務の特性から子育て等との両立が難しいといった状況が反映していると思われます。

 そしてコロナ禍が乗務員不足に拍車をかけました。

 乗務員自身の感染などはごく僅かでしたが、2022年ごろには家族の感染等で濃厚接触者になって出勤できないケースも続出、利用者も減少したことでモチベーションも下がり、退職者が続出したという現実がありました。

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熊本のように地域の路線バスの“共同経営”を実施し、サービス維持を目指す動きもある(画像:photolibrary)。

 貸切バスについてはコロナ前、定着率はともかく乗合よりは充足していたのですが、コロナ禍で仕事がなくなって、一時帰休や場合によっては解雇といった状況の中、離職者が急増しました。ようやく需要が回復傾向を見せている2023年には貸切バスの乗務員不足も顕著になっています。

 ではなぜ乗務員のなり手が集まらないのでしょうか。根本的には“職業的魅力”の欠如と言えるでしょう。

【まだマシ…?】これが路線バスの「労働時間と年収」です(画像)

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コメント

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3件のコメント

  1. >40歳未満の保有車が5%にも満たないほど

    ↑保有者

  2. もう人材確保は絶望的だろう。無人運転・自動運転の実用化がますます急がれる。
    本当に実現までは遠い道のりなのだろうか。

  3. 2019年に川崎市営バスが運転手確保のための運賃の値上げ申請を国が認めなかったのが、そもそもの原因だと思う。

    安く使おうとした結果が、今日の運転手不足。
    ラッシュの時間だけ働かせる長時間の休憩=長時間拘束。
    しばしば裁判になる折り返しの時間は無給。
    たとえば、20分走って、10分折返を繰り返すと、10往復しても労働時間は6時間40分、拘束時間は、途中1時間求刑と仮定して、10時間40分。
    また、中小企業が多く、クレームの対応が下手くそで、運転手を苦しめる。

    給料、拘束時間以外にも、道路運送法のクレーム処理、道路交通法の車内事故の部分は、最低限改善しないと、せっかく人が入っても続かないと思う。