うわっ壁から何か出てきた! ベテラン護衛艦の小さな艦長室の“仕掛け”にニヤリ 見学ツアーいよいよ核心部へ

艦長直々の案内で艦長室も見学

 ところで、雨の日は艦橋横のウイングと呼ばれる張り出した場所の出入り口にモップが広げられていることがあります。これは雨で濡れた床を拭くだけでなく、靴底をぬぐう玄関マットの役割も果たしているのです。ツルツルの床で滑ったら大惨事ですもんね。こんなところにもさりげない配慮がされているのです。でも普通の足拭きマットじゃダメだったんですかね。後々になって気になりました。

 こうして艦橋を堪能したあとは、艦長室も見せてもらいました。艦長室は写真NGなので文字でお伝えします。

Large 230711 abukuma 02

拡大画像

護衛艦「あぶくま」の艦内廊下(乗りものニュース編集部撮影)。

「あぶくま」艦長の大木2佐が「あぶくまは小さな艦なので艦長室も狭めなんですよ」と話すとおり、内装はかなりコンパクト。応接室を兼ねたメインの居室と、トイレや風呂の水回りのエリアに分かれています。

 しかし、よく見るとベッドがないんです。まさか奥にあるソファで寝るのか……、艦長なのに……、と戸惑っていると、艦長が「ベッドはここにあるんですよ」とソファの奥に手をかけます。すると、壁に収納されたベッドが引き出される仕様になっていました。

 どこまでも省スペースが徹底されたギミックに思わず興奮です。大きな艦艇では艦長室のベッドは収納されていないそうなので、壁収納式はかなりレアです。

 と、ここまで見学して思ったのですが、「あぶくま」は艦齢のわりに古さを感じさせません。ペンキは綺麗に塗られ、他の艦と同じような見た目。違うとしたらマストの形状など、時代とともに変わる設備くらいでしょうか。

 就役してから35年。これまで適切に整備を受けてきたことが、今でも活きている証なのですね。海上自衛隊の愛艦精神を垣間見た感じがして、海上自衛官を夫に持つ私まで胸を張りたくなりました。

【了】

【マンガを読む】艦橋といえばコレでしょ! 護衛艦「あぶくま」の艦内見学の様子

Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)

漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。