電動キックボードシェア 逆風どころか「知られていない」? “危ない”の大合唱は何なのか

実際の利用では年齢層で大きな差

 電動キックボードシェアには、利用者層に特徴があります。研究者が解説します。

「電動キックボードシェアの利用者は、20代、30代の男性で全体の40%以上を占めています。また、10代の男性も3.3%と、ほかのサービスよりも利用率が高いです」

 認知度が意外と低い反面、若い男性に響く電動キックボードシェア。アンケート調査では、実際に利用した割合と、チャンスがあれば利用しますかとも聞いています(利用率+利用意向=合計。

・カーシェア(6.4%+7.3%)13.7%
・タクシー配車アプリ(11.6%+10.6%)22.2%
・シェアサイクル(5.8%+11.2%)16.9%
・電動キックボードシェア(1.5%+6.5%)8.0%
・シェアパーキング(2.0%+4.5%)6.5%
・ライドシェア(1.2%+2.9%)4.1%
・MaaSサービス(1.1%+4.5%)5.7%

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LUUPの利用も確かに若者が多い(乗りものニュース編集部撮影)。

 電動キックボードシェアよりもシェアサイクルの方が利用意向は高いものの、前者は特に若者に支持されていることと重ねると、潜在的なユーザーは少なくないのかもしれません。研究者は利用率を上げるためには、さらに工夫が必要だと訴えます。

「新しい乗りものサービスを利用しない人に話を聞くと、今の交通手段で不便を感じていないと答える人が多く、新しいサービスを普段使いに取り入れる認識がない。今後増やしていくためには、利用するメリットをより打ち出していく必要があります」

 高齢社会は、乗りものに保守的になっているのかもしれません。

【了】

【え…】電動キックボードは認知度低 中高年層が意外と使っている新サービスとは(画像)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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1件のコメント

  1. 実際ネットの声なんてそんなもんだよな
    どれだけ騒ぎ立ててもメディアの取り上げ方一つでウジ虫扱いですよ