完成間近! 蘇る三式戦闘機「飛燕」見てきた 戦争の“生き証人”あえてやや無骨に?

太平洋戦争中に旧日本陸軍が制式採用し、南太平洋や本土防空戦などで活躍した三式戦闘機「飛燕」。その原寸模型がもうすぐ完成間近と聞き、茨城県の工場まで見に行ってきました。

実物と原寸模型 両方の展示を目指して

 三式戦闘機「飛燕」は、第2次世界大戦中の日本戦闘機としては珍しい液冷式エンジン搭載機でした。用いていたのは川崎航空機(当時)製「ハ40」型。これはドイツのダイムラー・ベンツ社が開発した液冷式倒立V型のDB601A型エンジン(1050馬力)を川崎航空機がライセンス生産したものです。

 なお、同じエンジンを搭載したドイツのメッサーシュミットBf-109E型戦闘機にも少し似ていたために「和製メッサー」と呼ぶ向きもありましたが、実際は空力的にも優れた機体設計などと相まって、最高速度、上昇力、旋回性能といった全ての点でBf-109E型を超える好成績をおさめています。

 ちなみに国内には、岐阜県各務原市にある「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」において、近年修復を終えた後期生産の二型(キ61-II改)の実機が展示されています。ただ、よく知られた同機とは別に、実はもう一機、日本国内に存在します。

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今年(2023年)2月に行われた安全祈願と鋲止め式における三式戦闘機「飛燕」模型。まだ50%ほどの完成度であるが、飛行機の形状にはなっていた(吉川和篤撮影)。

 それは1970年代にパプアニューギニアのジャングルで発見された初期生産の一型甲(キ61-I甲)です。こちらの機体は、旧日本陸軍の飛行第68戦隊所属と推測されるもので、以前はオーストラリアのコレクターが所有していましたが、2017(平成29)年にネットオークションへ出品され、岡山県倉敷市でオートバイ部品・用品を製造、販売する株式会社ドレミコレクション代表の武 浩氏が落札して日本に里帰りしているのです。しかし、こちらの機体は不時着で大きく損傷し、なおかつ回収のために胴体や主翼がいくつかのパーツに分かれた状態でした。

 当初、武氏は戦争の歴史を伝える「生き証人」、または貴重な日本の産業遺産という観点から、この残された機体を基にして完全な形で「飛燕」一型甲を復元することも考えたそうです。しかしそのためには膨大な予算と共に、完成までに多くの時間が掛かります。また当時の関係者の方々に見せるためには、あまり時間はかけられないという制約もありました。

 そこで武氏は、実機はこのままの状態で保存して、新たに全体像がわかる原寸模型を製作することに決定。その製作には多くの実績を持つ茨城県の日本立体に声を掛けることにしたのです。

【液冷エンジン機ならではの美しさ】ほぼ完成した模型「飛燕」の全体&コックピット内部も(写真)

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