完成間近! 蘇る三式戦闘機「飛燕」見てきた 戦争の“生き証人”あえてやや無骨に?

太平洋戦争中に旧日本陸軍が制式採用し、南太平洋や本土防空戦などで活躍した三式戦闘機「飛燕」。その原寸模型がもうすぐ完成間近と聞き、茨城県の工場まで見に行ってきました。

完成目前 茨城での一般公開も!

 こうして模型での「飛燕」復元プロジェクトが始まりました。日本立体の齊藤社長は、倉敷市で保管される機体の採寸を行い、資料を取り寄せます。製作にあたっては、10分の1サイズの骨格模型を作って検討したのち、精度の維持に神経を使いながら10倍に拡大した原寸サイズを作るという手順が取られました。

 原寸サイズの製作作業は2022年5月からスタート。そして前述したような2月の式典以降も残りの製作は続けられ、同時に形状の検討も重ねられた結果、ややスッキリしていた機首形状は、少し無骨な雰囲気を出すことで「飛燕」一型甲の形状に近付けたりと、こだわりの修正などを繰り返しながら作業されてきたと言います。

 その後も日本立体の齊藤社長の手により、主翼にアルミ板を張ったり、動翼に航空機用の羽布を張ったりといった地道な作業が続けられました。その結果、「飛燕」の原寸模型は、株式会社ドレミコレクションへの納品を目指して、この度ようやく完成間近な姿を見せるまでに至ったのです。

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三式戦闘機「飛燕」の原寸模型の前に立つ日本立体の齊藤裕行社長。その製作をほぼひとりで行った。齊藤社長が手にするのは実物の主客上部カバー(吉川和篤撮影)。

 齊藤社長の時間を掛けた丁寧な作業により、完成度は2月の式典時と比べて眼に見えて高まっており、武氏と齊藤社長が目指していた復元プロジェクトは成功したと言えるでしょう。今後は岡山県倉敷市において、実機と共に展示されて戦争の歴史を後世に伝える語り部(かたりべ)となる模様です。

 間もなく完成予定の「飛燕」は、2023年9月9日に茨城空港 第三駐車場で行われるオートバイのイベント「ウェビック フェスティバル 2023」で展示が計画されています。茨城県から離れる前に実物を見学することができる、またとないチャンスです。この機会に、関東近郊で興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。模型とはいえ、その迫力にきっと圧倒されるでしょう。

【了】

【液冷エンジン機ならではの美しさ】ほぼ完成した模型「飛燕」の全体&コックピット内部も(写真)

Writer:

1964年、香川県生まれ。イタリアやドイツ、日本の兵器や戦史研究を行い、軍事雑誌や模型雑誌で連載を行う。イラストも描き、自著の表紙や挿絵も製作。著書に「九七式中戦車写真集」や「イタリアの中戦車・重戦車写真集 」、「イタリア軍写真集」など。

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