『仮面ライダー』のバイクはスゴイのか? 案外フツー? 実在マシンの方が斜め上いってた件

空飛ぶバイクも登場済み

 初代サイクロンが「ジェットエンジン搭載」という設定なので、前出の「タービン・スーパーバイク Y2k」は、原子炉こそ積んでいないものの、これを具現化したようなバイクと言えるのではないでしょうか。バックミラーがなく、リアビューカメラの映像がモニターに映し出される辺りも、空想科学的なバイクと言えるでしょう。

 ちなみに、バリエーションとして、420馬力のガスタービンエンジンを備えた「タービン・ストリートファイター」も存在するようです。

 なお、より高性能なのが2003年のデトロイトオートショーに、コンセプトモデルとして出品された、ダッジ社の「トマホーク」です。

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現代にはライダーマシンに匹敵するモンスターバイクも存在する。(イラストレーター:ハムシマ)。

 このバイク、前後の車輪が2綸備わった4輪車で、外見もまさに異形。エンジン出力は「サイクロン」と同じ500馬力。計測された最高速度は480km/hですが、計算上では時速680km/h(676km/hという資料も)まで出せるといいます。ちなみに10台が市販されており、当時は55万ドル(当時のレートで5636万円)したとのこと。公道走行も可能だと言われています。

 車両重量は675kgもあるので、ライダーマシンよりずっと重く、軽自動車に近い重量です。本当に680km/hも出せるなら「ハリケーンより速いバイク」ということになります。現実の社会では活かす機会がなさそうな「超高性能マシン」ですが、空想上の超高性能バイクに匹敵する「トマホーク」の高性能には驚くしかありません。

 ちなみに「空飛ぶバイク」も、2022年に日本のスタートアップ企業 A.L.I.Technologiesが開発したホバーバイク「XTURISMO (エックストゥーリスモ)Limited Edition」が登場しています。重量300kg、最高速度80km/hと性能は控えめですが、SF的な外見はとてもカッコよく、また公道走行は無理にもかかわらず、多くの問い合わせがあるようです。ちなみに価格は7770万円です。

 技術の進歩により、「夢の乗りもの」が本当に実現していくというのは、「乗りもの」のロマンといえるでしょう。これからもどんな「未来マシン」が登場するのか、注視していきます。

【了】

【サイクロン号を超えた?】異次元! 日本が誇る国産スーパーバイク「カワサキNinja H2R」(写真)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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