知られざる“富士山に最も近い空港”「滝ヶ原飛行場」とは? 警備だけは厳重なワケ
どんな航空機なら発着できる?
では飛行場としてどれ程の規模かというと、滑走路の長さは約750m、幅は約17mです。東京都内にある調布飛行場の滑走路が長さ800m、幅30mであるため、それよりも短く狭いです。そのため、軽飛行機もしくは小型の双発プロペラ機程度であれば降りられるものの、一般的な旅客機は無理でしょう。STOL(短距離離着陸)性能に優れた航空自衛隊のC-1輸送機ならばギリギリ離着陸できる長さですが、過去に同機が滝ヶ原飛行場に降り立ったという話はありません。
普段は富士飛行班の訓練が行われるだけの静かな飛行場ですが、ここは陸上自衛隊の東富士演習場に隣接しているため、陸上自衛隊や在日米軍が訓練で使用する時には、さながら航空祭のような様相になります。
訓練が行われる際には、アメリカ海兵隊の垂直離着陸機MV-22B「オスプレイ」や攻撃ヘリコプターAH-1Z「ヴァイパー」、多用途ヘリコプターUH-1Y「ヴェノム」などが数多く飛んで来ます。また、横田基地に所在するアメリカ空軍の特殊作戦機CV-22B「オスプレイ」も時々姿を見せることから、滝ヶ原飛行場は在日米軍にとっても重要な施設であることが伺えます。
ちなみに、滝ヶ原飛行場と道路を挟んで反対側には陸上自衛隊の滝ヶ原駐屯地があります。ここには富士学校/富士教導団隷下の普通科教導連隊を中心に、評価支援隊や教育支援施設隊など、陸上自衛隊にとって重要な役割を持つ部隊が多く所在しています。
なお、滝ヶ原飛行場そのものは陸上自衛隊が管理していますが、キャンプ富士は在日米軍の管理下にある施設です。撮影のため、側溝を越えてフェンスに張り付くのはキャンプ富士の敷地内への不法侵入とみなされますので、撮影する際には側溝を越えて芝生に入らないよう気を付けましょう。
【了】
※誤字を修正しました(8月21日11時42分)。
Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)
2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。
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