「トンネル=暗くてコワイ」は過去の話? 「白いトンネル」増えたワケ 減りゆくオレンジの照明
建設されたばかりのトンネルはもちろん、既存のトンネルでも最近は「内部が白っぽい」ことがあります。かつてはオレンジ色のライトで照らされ、全体的に黒っぽいものでしたが、なぜ変化しているのでしょうか。
オレンジ色の正体はナトリウムランプ
トンネルには、よくコワイ話などがありますよね。全体的に暗く、かつ照明がオレンジ色のケースが多いでしょうか。しかし最近のトンネルは、照明が白く、全体的に明るく感じるものも増えてきました。
これはただの感覚なのでしょうか。“全体的に白っぽい”トンネルを管理する国道事務所に尋ねると、「トンネルでよく見られるようなオレンジ色のナトリウムランプではなく、明るい白色LEDを照明に採用していること、また路面をアスファルトではなく、壁面と同様にコンクリートで舗装にしていることから、確かに白っぽく見えるかもしれません」と回答がありました。
LED照明については2015(平成27)年、国土交通省がガイドラインを改定し、トンネルにおけるLED照明の全面的な使用を認め普及を促進しています。従来のナトリウムランプや蛍光灯よりも明るく省エネで、はるかに寿命が長くなっていることから、既存の照明をLEDに置き換えることも行われています。
そもそもガイドラインが策定されたのは2011(平成23)年のこと。ただしこのときは、LEDの導入はトンネルの中間部(基本照明)のみとされました。トンネルの出入口部分は一般的に、外との明暗の差にドライバーの目を慣れさせるため、基本照明の10倍程度の明るさが必要でしたが、LEDでは高出力化が困難であるとされたのです。しかし、技術の進歩で高出力化が可能になったことから、2015年の改訂版において、出入口部分の照明もLED導入の対象となりました。
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