関東の長大ローカル私鉄の「廃線」 鉄道時代のエモい風景満載で「自転車道のニッポン代表」になるまで

関東の廃止鉄道路線のなかでも長い40kmのほぼ全線が「自転車道」に生まれ変わっているところがあります。鉄道廃止から37年、いまや日本中からサイクリストが集まる名所になりました。

「世界に誇る自転車道」へ転身 その秘策

 旧筑波鉄道を活用した自転車道は「つくばりんりんロード」として平成前期を通じ整備されてきました。そして廃線から40年近く経った2023年現在では、サイクリングの“聖地”的なスポットとして、脚光を浴びています。

 2019年には、旧筑波鉄道区間を含めた「つくば霞ケ浦りんりんロード」が、国の「ナショナルサイクルルート」に指定されています。これは「日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルート」であるとされています。この指定を受けているのは、ここを含め全国でいまだ6か所しかありません。

 また、サイクリング熱の高まりもあり、「つくば霞ケ浦りんりんロード」の利用者数は順調に増えており、茨城県の推計によれば2017年に約5万5000人、2019年に約9万3000人、そして2022年は約12万5000人にまでなっているとのこと。

 このナショナルサイクルルートへの登録にあたって、茨城県がとった秘策、それこそが、土浦駅の東に広がる霞ケ浦を一周する自転車道「霞ケ浦湖岸道路」と、旧筑波鉄道跡のつくばリンリンロードを“一体化”することでした。こうして旧筑波鉄道は2016年、全長180kmという長大な自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の一部に組み込まれたのです。

「自転車が約20km/hで走るとして、40kmだと2時間ほどで走れてしまいます。それだとナショナルサイクルルートに選定されるには短く、少なくとも100kmは越えたいという意識はあったでしょう」。茨城県スポーツ推進課の担当者はこう振り返りました。

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ホームが残る旧虫掛駅。休憩所となっている(乗りものニュース編集部撮影)。

 さらに、2018年には筑波鉄道の起点だった土浦駅の駅ビル「アトレ」が、「プレイアトレ」へリニューアル。宿泊施設やレンタサイクル、シャワー設備などを備えた「全国初の駅直結型の複合サイクリング拠点」に生まれ変わり、2つの自転車道の中継地点となりました。

 鉄道を廃止して自転車道に活用したところは全国にありますが、そのなかでも旧筑波鉄道の自転車道は、最も成功した例かもしれません。ちなみに、茨城県の担当者によると、もともと鉄道から自転車道への転換は通学利用も想定してのことだったといい、生徒・学生の姿も見られるということです。

【了】

※一部修正しました(9月24日16時01分)。

【え…長い!】旧筑波鉄道の自転車道&エモい風景(地図/写真)

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