「高性能なヤツ作ってね、金かけずに」で生まれた最後の艦上攻撃機「コルセアII」米空軍も採用の名機に

アメリカ海軍最後の艦上攻撃機といわれるA-7「コルセアII」。この機体は史上最後の艦上攻撃機と呼ばれる存在です。ただ後に米空軍も採用した傑作機に。かつて日本にもたびたび姿を見せた往年の名機はどのようにして生まれたのでしょうか。

なぜF-8戦闘機とソックリなのか

 A-7「コルセアII」が生まれたのは1960年代初頭のこと。当時、空母搭載用の艦上攻撃機として用いられていたのは、マクドネルA-4「スカイホーク」攻撃機でした。同機はアメリカ海軍、海兵隊をはじめ多くに国々に採用された優秀な攻撃機で、トップガンの敵機役やブルーエンジェルスの乗機にも採用されるほどの優れた飛行性能を誇る名機でしたが、攻撃機として重要なポイントである兵装搭載量にアメリカ海軍は満足していなかったのです。

 そこで海軍は複数の航空機メーカーへ、A-4に代わる新型攻撃機の仕様書を出しますが、開発費を抑えるために既存の機種をベースにするという条件を付けます。その結果採用されたのがヴォート社(現LTVアエロスペース)のA-7でした。

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1981年5月16日、旧アラメダ海軍航空基地で撮影したA-7B攻撃機(細谷泰正撮影)。

 A-7は同じくヴォ―ト社が作った傑作戦闘機F-8「クルセイダー」に近似した外形をしていますが、それもそのはず、前出したような「既存機をベースに作る」というアメリカ海軍の要求に沿って、F-8戦闘機をベースに開発された攻撃機だったからです。

 ただ、完成した試作機は外形こそ似ていたものの、F-8の特徴であった主翼の取付け角可変機構は省略され、新設計の大きな主翼にアメリカの攻撃機としては初のターボファンエンジンを搭載することで海軍が要求した1万5000ポンド(約6.8t)という兵装搭載量を達成していました。なお、試作機は1965年9月27日に初飛行し、「コルセアII」の愛称が付与され制式採用されています。

 エンジンには、空軍のF-111戦闘爆撃機で採用されたばかりの戦闘機用ターボファンエンジン、TF-30のアフターバーナー非装備型が用いられていました。TF-30は強力で低燃費なのが採用の理由でしたが、コンプレッサーストール(エンジン不調)が起きやすいという欠点を抱えていました。

 実際、最初の量産モデルであるA-7Aでは、機首の空気取り入れ口がカタパルトの蒸気を吸い込むことによりコンプレーサーストールを起こすという問題を含有していたのです。そこで、対策として運用時は離陸重量を減らすことで最大出力を抑制するというが講じられます。その一方で、抜本的に改良を施した新モデルの開発を進められ、結果としてA型よりも高出力なエンジンを搭載したB型が作られたことで、コンプレッサーストール問題をクリアしています。

【間違い探し?】1機だけ違うモデル。A-7の中に紛れたRF-8を探せ!(写真)

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