「戦車通ります!!」 もうすぐ消滅74式戦車の“公道輸送” 130kmに密着 超重トレーラー輸送で光る職人技

もうすぐ役目を終える74式戦車。それに伴い同車を載せたトレーラーが街中を走るのも見られなくなります。そこで、完全退役の前に74式戦車の輸送に密着。夜中にしか見られない、知られざる戦車輸送の裏側を取材してきました。

夜間輸送とはいっても日中もやることあり

 守山駐屯地から今津駐屯地への戦車輸送は「第10師団創立61周年・守山駐屯地創設64周年記念行事」が開催された日の翌日、10月16日(月)に行われました。

 運行スケジュールは守山駐屯地を21時頃に出発し、今津駐屯地には24時頃に到着するというもの。なぜ深夜かというと、車体が大きく重いため、道路法や道路交通法などで規定されている「特殊な車両」に該当するからです。

「特殊な車両」は21時から翌朝6時までの9時間しか公道を走ることができないため、74式戦車を乗せたトレーラーは21時に守山駐屯地を出発することになっていました。

 だからといって、夜まで何もしないわけでもありません。日中は戦車の積み込みや燃料補給、車両点検などを行います。また夜間任務に備えて体を休めるのも任務のひとつだといいます。なお、トレーラーに乗せる際、戦車を動かすのは、第10戦車大隊の隊員です。第10後方支援連隊の隊員では、戦車を動かせないため、その部分でも連携が必要になります。

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鎖で重量物を固定する「チェーンブロック」で74式戦車とトレーラーをつなぐ第10後方支援連隊輸送隊の隊員たち(乗りものニュース編集部撮影)。

 駐屯地内の道路に停まったトレーラーに74式戦車がゆっくりと近づいていきます。このとき74式戦車は砲塔を後ろに回し、105mm戦車砲は車体後部に装備する「砲身固定具」というものでしっかりロックされていました。

 第10戦車大隊の隊員がハンドサインで74式戦車を最適な位置へと導きます。やり直しなどせず、一発でトレーラーに載せていましたが、固縛が終わったあとで近づいて見てみると左右とも指3本程度の余裕しかありませんでした。

 

 それもそのはず、74式戦車の車幅は前述したように3.18m、対してトレーラーの幅は3.29mです。その差は0.11m、すなわち単純計算で左右5.5cmずつしか余裕がないことになります。そこをリセットなしで、短時間で終わらしてしまうところに高い技量とチームワークを感じました。

 ちなみに、74式戦車は油気圧懸架によって車体の高さを変えることができます。そのため、トレーラーに積載する時は、車体をいちばん高い状態にし、一方で積み込みが終わると、最も低い姿勢にしていました。

 また、トレーラーの中央部には矢印表記が2つありますが、これにはそれぞれ「最大積載時重心位置」「戦車中央転輪位置」と記されています。ここに74式戦車の第3転輪を合わせるのもポイントとのことでした。

【もうすぐ見納め】これが大都会をゆく74式戦車の輸送風景です!(写真)

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