「戦車通ります!!」 もうすぐ消滅74式戦車の“公道輸送” 130kmに密着 超重トレーラー輸送で光る職人技

総重量60tだとスピード出すのもひと苦労

 日がとっぷりと暮れた夜、20時過ぎから隊員たちは公道走行に向けて準備を開始します。

 公道を走る場合は、トレーラーの前後に誘導車を付けなければなりません。前方誘導車は前方の交通状況の把握などを行い、後方誘導車は後続車両にトレーラーの存在を知らせる役目を担っています。

 そのため、戦車輸送は基本的に3台1セットで行われます。また各車とも大型トレーラーが走っていることを周囲に認知させ、接触事故などを防ぐための緑色回転灯を取り付けており、さらに前後の誘導車には「トレーラー誘導中」「前方低速車」といった幕が掲示されていました。

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夜の名古屋市内を進む戦車運搬の車列(乗りものニュース編集部撮影)。

 21時過ぎ、守山駐屯地の門を出た車列は、名古屋市内を走行し、春日井ICで東名高速道路に入ると、そこから名神高速道路、北陸自動車道へと進んでいきます。当初の予定では途中のパーキングエリアでトイレ休憩とドライバーの交代を予定していましたが、パーキングエリアのトラックが想定以上に多かったため休憩は取り止め。そのままひたすら今津駐屯地を目指すこととなりました。
 
 なお、トレーラーは最高速度が60km/hに制限されており、このスピードは高速道路でも同様です。ただ、74式戦車を載せた状態だと、車両総重量は約60tにも達するため、隊員いわく、上り坂などでは40km/h程度まで下がってしまうこともあるとのことでした。
 
 滋賀県の木之本ICで下道に降りると、名古屋や春日井ICとは打って変わって街灯すら少ない状況となりました。場所によってはヘッドライトしか明りがない中、74式戦車を乗せた車列は進んでいきます。

 街灯がなく、対向車もいないような場所では、緑色の回転灯だけが目立っています。そして今津駐屯地へと続く坂道を登りきると、明りに照らされた駐屯地の正門が見えてきました。

【もうすぐ見納め】これが大都会をゆく74式戦車の輸送風景です!(写真)

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