ハイエースに「ボンネット付」なぜ? 四角い車体よりメリット大? 次期型と噂のコンセプト車

未来のハイエースは「運転手に優しく業務支援も?」

 BEVコンセプトでの特徴といえるICT(情報通信科学)技術の活用については、親会社であるトヨタ自動車が提供する車両通信サービス「コネクティッド」を活用した配送・荷物管理システムを搭載していました。

 これにより、運転席のセンターコンソール部分にある大型ディスプレイには、配達ルートとその荷物の荷室内の位置情報が表示されます。さらに届け先のクライアントの配達時間の指定があれば、それに応じた最適な移動ルートまで算出してくれるそうです。

 実際のところ、このような「コネクティッド」を使った配達支援機能の実現は簡単なことではないでしょう。ここまで配送スケジュールに関わった機能を実装するには、配達業務の全般に関わるほどの大規模なITインフラが必要になります。しかし、コンセプトカーとはいえ、自動車メーカーが車体だけでなく、その業務支援機能まで盛り込んだことは、今後の商用車が進むべき将来性まで提示してくれたともいえるのではないでしょうか。

 未来のハイエースは、運転だけでなく、商用車としての業務自体もユーザーフレンドリーなものにしてくれるかもしれません。

Large 231106 bevhiace 03

拡大画像

観音開き式のリアドアは開閉がし易く、開口部が広いために荷物の積載もやりやすい(布留川 司撮影)。

 今回のBEVコンセプトでは、現在のハイエースと同様に様々な車体バリーションも提案されていました。トヨタ車体によると、展示された車両は基本形となる「L1H1パネルバン」で、これ以外に荷室に窓を付けた「L1H1ガラスバン」、車輌を長くした「L2H2パネルバン」、送迎車仕様の「L2H2コミューター」、救急車などに使う「L2H3スーパーハイルーフ」という異なるモデルも紹介されていました。

 ハイエースのEVモデルが発売されるかは未定ですが、それは既存車両の電動化だけでなく、少子高齢化といった社会変化の対応や、ICT技術の進歩によって、前後するでしょう。ひょっとしたら、そう遠くない時期に、さらに進化したハイエースBEVコンセプトがお目見えし、場合によっては市販されるかもしれません。

【了】

【カッコイイ救急車仕様も】これが新型「ハイエース BEV コンセプト」提案モデルです

テーマ特集「【特集】JAPAN MOBILITY SHOW 2023」へ

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。