米海軍機が載らない「海兵隊専用空母」なぜできた? 「どうせならずっと乗ってて海兵隊」と思ったかも 合理的なワケ

海兵隊専用空母の便利ポイント2点って?

 このように、使用機種は海軍の艦上機と同じで、海軍航空隊のパイロットほどではないものの、空母における発着艦を一通り身に付けたパイロットが操縦桿を握る海兵隊飛行隊は、戦争の激化にともなって不足するようになった海軍航空隊を補うため、空母航空団の一部に配置されて、海軍航空隊とともに運用されるようになったのは必然だったといえるでしょう。その結果、海兵隊飛行隊は「本家」の海軍航空隊に勝るとも劣らない戦果をあげるようになり、高く評価されます。

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アメリカ海軍の護衛空母「ブロック・アイランド」。写真は大戦後に撮られたもの。飛行甲板にはTBM/TBF「アベンジャー」がズラリと並んでいる(画像:アメリカ海軍)。

 そこで海軍と海兵隊は、一歩進めた運用を考えつきます。太平洋戦域でのアメリカ軍は、日本への反攻として、各島嶼に対する上陸作戦を実施していました。その際、空母搭載の海軍機と一部の海兵隊機が航空支援を行います。ここで、もし上陸した海兵隊地上部隊の航空支援を、同じ海兵隊飛行隊が行えば、地上と空の連携がスムーズに行えるのではないかとか考えたのです。

 しかも、メリットはそれだけではありません。これによって「手の空いた」海軍航空隊の艦上機部隊は、別任務を遂行できるようになります。

 こうして考えられたのが、海兵隊飛行隊専用の空母というわけです。これこそまさに、艦隊空母に軽空母、さらにはそれより小型の護衛空母を多数建造していたアメリカならではの発想といえるでしょう。白羽の矢が立てられたのは、約120隻も大量生産された護衛空母のなかで最終モデルとなったコメンスメント・ベイ級の2番艦「ブロック・アイランド」でした。

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1件のコメント

  1. 米国の陸軍とは、自国を防衛する部隊であり、それぞれの州兵もこれに該当。そして海兵隊とは敵国に上陸して戦う部隊