「中途半端なステルス機」と見るのは浅はか 韓国オリジナル戦闘機KF-21“進化計画”の現在地とは お値段F-35超え!?
いろいろできる汎用性の獲得が主眼
現地で取材してきた筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)の感想としては、メーカーがKF-21において一番アピールしているのはブロックIIのように感じました。会場の屋内展示エリアにあったKAIのブースには、KF-21の模型がいくつも展示されていましたが、そのほとんどが主翼下のパイロンに誘導爆弾やミサイルが装着されたモデルで、それらを用いて同機がブロックIIで実現する対地能力の高さを宣伝しているといった感じでした。
また、KAIとは別会社のLIG Nex1社は、KF-21に搭載される国産の空中発射巡航ミサイル「KALCM(Korea Air-Launched Cruise Missile)」の実物大モックアップを展示。これは射程が500kmにもなる大型の巡航ミサイルですが、その大きさゆえにKF-21では主翼下のパイロンに搭載されるため、ウェポンベイ装備のブロックIIIではなく、ブロックIIにフォーカスした装備品といえるでしょう。
この他に現地で発表されたKF-21関連の情報としては、KF-21の複座型を複数の無人機の司令機とする新しいコンセプトが展示されていました。これは共同戦闘システム(Collaborative Combat System)という名称で、囮(おとり)、電子戦、ISR(情報・監視・偵察)、攻撃の異なるミッションを行う複数種類の無人航空機(UAV)を、KF-21の複座型の後席乗員に統制・指示させるというものです。
これら無人機を自機の身代わり的に投入することで、KF-21はステルス性がないブロックIIでも高脅威の作戦に投入することが可能になります。共同戦闘システムについてはコンセプト段階であり、KAIの担当者いわく「今後開発を進めていく場合、実現には長い歳月が掛かるかもしれません」とのこと。ただ同時に「現時点でのKF-21の複座型の目的は操縦訓練ですが、その別の用途のひとつとしてこのコンセプトを発表しました」とも語っていました。
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