「水素で走る戦車」韓国ヒョンデが提案 少子化を真剣に考えたら“未来感マシマシ”に!?

目指すのは高性能だけじゃない、韓国軍の将来にも対応

 防御面では、装甲板には軽量化されたセラミック系の複合材を採用することで、重量はK2戦車と同等の車重55t以下を想定。加えて、自車に飛んでくる砲弾やミサイルを、散弾を使って物理的に撃ち落とすAPS(アクティブ防護システム)や、ミサイルシーカーに赤外線を照射して誘導できなくするDIRCM(指向性赤外線妨害装置)も搭載することで、よりレベルの高い生残性を発揮できるようにしています。なお、相手側から探知されにくくするための赤外線とレーダーに対する探知低減設計も盛り込まれているとのことでした。

「Next Gen. MBT」のスペックは、コンセプトモデルゆえに「てんこ盛り」「全部マシマシ系」といえるような豪勢なもので、戦車に詳しいマニアや、実際に軍隊などで戦車に関わっている人たちからすると、ツッコミどころが多いかもしれません。しかし、よく見るとこのコンセプトモデルが示す技術の方向性は、韓国だけでなく先進国の軍隊すべてが抱える問題に対応したものといえそうなのです。

Large 231124 ngmbt 03

拡大画像

韓国初の国産戦車「K1」。自動装てん装置がないため、乗員は4名(画像:大韓民国国防部)。

 なかでも「Next Gen. MBT」で革新的なポイントは、新しい方式のエンジンと省人化です。

 まず、エンジンについてですが、この戦車のパワーユニットは、従来の化石燃料で動くものではなく、水素燃料電池をベースとした電動推進式です。

 兵器の電動化は、内燃機関の廃止による低視認性(エンジン排熱の低減で敵に見つかりにくくなる)などから注目されており、技術開発自体は我が国含め先進国では進められています。ただ、その際の電源については、電気自動車のようなバッテリー充電式は充電時間の問題やバッテリー重量の問題から現実的ではありません。そこで、代わりに注目されているのが、このコンセプトモデルにあるような水素ベースの燃料電池なのです。

 現在、車を含めたさまざまなモビリティーで電動化が進んでおり、軍事の世界にまでそれが波及するかは現時点では不明ですが、脱化石燃料が世界的に進んだ場合、軍用車両でもコスト面などの問題から新しい方式への切り換えを迫られる可能性は充分にあります。

【夢のギミックが多数…】ヒョンデの未来感たっぷり戦車(写真で見る)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 現用戦車の同じ写真がに1とK2別々のキャプションが付けられている。
    最近の記事の写真のキャプションに誤りが目立ちます。「