「水素で走る戦車」韓国ヒョンデが提案 少子化を真剣に考えたら“未来感マシマシ”に!?
少子化で兵隊の頭数が減ることも想定
省人化については、この「Next Gen. MBT」が想定している乗員数は3名ないし2名と、現在の主力戦車よりも少なくなっています。それどころか、オプション機能として乗員を必要としない無人運用まで想定しているそうです。
現在の戦車は、車長、砲手、装填手、操縦手の4名、もしくは韓国製K2戦車や我が国の10式戦車のように自動装填装置ありであれば装填手抜きの3名で運用されています。これを「Next Gen. MBT」の場合は、自動化やAI制御を活用して削減することを目指しています。
もちろん、戦闘車両の無人化運用は、現在の最新技術をもってしても簡単に実現できることではありません。ヒョンデ・ロテムの担当者も仮定の話と断ったうえで「このコンセプトモデルのような少人数の戦車が採用された場合は、軍側も戦車の運用方法を大きく見直さなければならないだろう」と言っていました。
一方で、現在の韓国の少子化は深刻で、徴兵制によって兵員数を確保している同軍でも将来の人員数の低減は避けては通れない問題です。ゆえに、兵器の無人化などでこれに対応しようとしている模様です。ある韓国の防衛企業の関係者は「現在の韓国防衛産業では、省人化や自動化は想定しなければならない必須の技術です」と筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)に語ってくれたほどで、この省人化は程度の差こそあれ、目を逸らすことのできない課題といえるでしょう。
「Next Gen. MBT」で提示された性能はやや突飛な印象があるかもしれませんが、それが目指す方向は韓国軍や将来の世相を反映したものであり、今後開発されるであろう未来兵器の方向性を示したものであると感じました。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
現用戦車の同じ写真がに1とK2別々のキャプションが付けられている。
最近の記事の写真のキャプションに誤りが目立ちます。「