ハイエースにも戦闘機にもついている! 表面の「謎のトゲトゲ」何なのか 新幹線にもついてるぞ!

飛行機だけじゃない! クルマや電車にもある「渦発生器」

 ボルテックスジェネレーターは飛行機だけでなく、モータースポーツから市販車のエアロパーツにもなっています。トヨタでは「エアロスタビライジングフィン」と称し、車体表面の気流を整えて後方の乱気流を抑えることで、高速域での姿勢安定を図っているほか、SUBARUのBRZにはルーフ後方の気流を整える目的で、ボルテックスジェネレーターが純正エアロパーツとして設定されています。

 また、空気の渦を発生させる機能を応用し、不快な風切り音を防止する目的で使われる場合もあります。JR西日本が開発した500系新幹線のパンタグラフに採用されたほか、風力発電用の風車にも騒音防止で採用されている例があります。

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ハイエースのリアランプにある突起、エアロスタビライジングフィンもボルテックスジェネレーターの一種(画像:トヨタ)。

 あえて意図的に気流を乱すことで、大きな気流の乱れを防ぐ……。一見矛盾しているようなハナシですが、「毒をもって毒を制す」という言葉もあるように、ボルテックスジェネレーターはさまざまな目的で活用されています。

 飛行機を利用する際、どんな場所に使われているのか、探してその目的を想像してみるのも楽しいかもしれません。

【了】

【気になって仕方なくなる!?】あの戦闘機にも旅客機にもついているトゲトゲ(写真)

Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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