古すぎる? 「F-5戦闘機」まだ使う国/引退進む国の事情 パイロットが乗りたがらない?

お隣韓国では"もう嫌だ”!?

 韓国空軍も2023年12月現在、F-5E/Fを運用している空軍の一つです。

 同空軍が初期に導入したF-5E/Fはアメリカから輸入されたものですが、1981年から導入されたF-5E 48機とF-5F 20機は大韓航空の航空宇宙部門でライセンス生産されており、台湾と同様、ライセンス生産の経験は後の韓国航空産業の飛躍に大きく貢献したと言われています。

 ただ、韓国空軍のF-5E/Fはヘッドアップディスプレイや慣性航法装置などの追加は行われたものの、データリンク機能は追加されていません。このため迎撃は地上管制官の音声指示によって行われており、データリンク機能を備えたF-15K戦闘機などとの共同作戦が困難なことから、第一線で使用するのも困難になっているとも言われています。

 加えて、韓国空軍のF-5E/Fは2000年から2022年までに15機が墜落事故を起こしており、16名の搭乗員が命を落としています。

 2022年1月12日付の韓国の新聞中央日報はF-5E/Fの墜落事故で殉職者が多い理由として、緊急時に脱出をサポートする射出装置状態が他の機種に比べて不十分だと言われていると報じています。

 この記事では、「(韓国空軍は)淘汰されるべき機種(F-5E/F)を年限を延長しながら今も使用し続けている。命がけで乗らなくてはならないが、誰が好んで乗るだろうか」という韓国空軍のパイロット(匿名)の談話も紹介し、老朽化したF-5E/Fの運用に疑念を呈しています。

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韓国空軍のF-5E(竹内 修撮影)。

 韓国空軍もこの状況を看過しているわけではなく、F-5E/Fは、開発が進められている国産戦闘機KF-21「ポラメ」の第一次生産分と交代して退役する予定となっています。

 ただ、韓国の防衛事業庁はKF-21の事業妥当性評価を行っており、この評価ではKF-21事業の成功の不確実を理由に、空対空戦闘能力のみを備えた第一次生産分の生産数を40機から20機に削減すべきという暫定的結論が出されています。

 この事業評価の結論には韓国国内に大きな反対論もあるようですし、F-5E/Fの現状を考えると、韓国空軍としてもKF-21の第一次生産分の削減は受け入れられない話なのではないかと筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思います。

【了】

【まだまだ使う!?】おじいちゃん戦闘機F-5がバリバリ現役な国々(写真で見る)

Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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