東京だよね!? 都内「私鉄の閑散駅」5選 一体どんな場所なのか “定説を覆す”超閑散駅も
なぜそこに駅? いよいよ「3000人台」ゾーンへ
JRの東京23区内の駅で最も利用者数が少ないのは、京葉線の越中島駅(東京都江東区)の4807人(2022年度、乗車人員)ですが、それよりも少ない私鉄駅も都内にはいくつかあります。
東武スカイツリーライン(伊勢崎線):堀切駅(東京都足立区)
・1日あたり乗降人員:3939人
東武スカイツリーラインの愛称区間(浅草~東武動物公園)のなかで最も利用者が少ない駅。都道から少し入った行き止まりの場所にあり、駅の東側は荒川の土手に面しているため人の気配すら少なく、駅前に目ぼしい店もありません。
そもそも「堀切」は荒川の東岸、葛飾区の地名です。もともと駅はさらに東側にありましたが、人工河川である荒川放水路(荒川)の開削に伴い東武線のルート変更が行われ、西岸の“川っぺり”を通るように。その途中へ堀切駅も移設されたのです。
これら堀切駅周辺の荒川の土手や緑地は、テレビドラマ「3年B組金八先生」のロケ地として知られます。
小田急線:南新宿駅(東京都渋谷区)
・1日あたり乗降人員:3588人
新宿の次の駅ですが、2022年度、小田急線で最も利用者が少ない駅となっています。新宿駅に近すぎるうえ、JR・都営の代々木駅も500mほどという距離で、利用が分散しているのです。「大ターミナルの次の駅は利用者が比較的少ない」というのを象徴する存在としてよく語られます。
駅に隣接する美容専門学校のアクセス案内をみると、代々木駅1分、新宿駅4~5分(改札等の場所により異なる)の次に、「小田急線『南新宿駅』隣接」と案内されているほど。ここはほぼ、代々木ないし新宿からの徒歩圏内という認識でしょう。
駅としては、1927(昭和2)年に小田急線が開通した当初からあります。当時の駅舎は現在よりさらに100mほど新宿寄りで、「千駄ヶ谷新田」駅を名乗っていました。
京王線:長沼駅(東京都八王子市)
・1日あたり乗降人員:3570人
小田急南新宿駅と僅差ですが、おそらく都内私鉄の主要幹線では2022年度に最も利用者が少なかった駅のひとつでしょう。八王子寄りの隣駅で、京王線から高尾線が分岐する北野駅は1万9438人、新宿寄りの隣駅である平山城址公園駅も7291人というなか、長沼駅の利用者の低さは際立ちます。
高架駅なので駅南北の通り抜けは容易ですが、駅の北側は浅川が流れているほか、南側は広い校庭をもつ小学校が隣接しています。駅周辺にめぼしい商店などは見当たりません。
さらに南側の丘陵は絹ヶ丘という分譲住宅地が広がっているのですが、主要バス路線はここから北野駅へ通じており、長沼駅周辺は八王子市のコミュニティバスが補完している状況です。
絹ヶ丘に隣接する広大な「都立長沼公園」のアクセス(徒歩5分)が、現在の長沼駅の主要な役割といえるかもしれません。
【了】
小田急線の南新宿駅があるのは新宿区ではなく渋谷区です。