「撃つ前にドカン」ロシア砲兵が恐れる「腔発」のリスクとは 北朝鮮の粗悪砲弾が原因?

ロシア軍ではロケット砲の「腔発」が起きているようで、一部報道では北朝鮮製の低品質な砲弾が原因と指摘されています。この「腔発」は砲兵が最も恐れる事故ですが、似たようなことは兵器以外でも起こり得ます。

パワーを得ること それは爆発リスクと表裏一体

「オニオンブロッサム」と化した兵器は腔発事故の怖さを伝えていますが、かつては蒸気機関車でもボイラーの爆発事故が起こり、ショッキングな姿を見せました。蒸気機関車のボイラーが爆発すると煙管がバラバラに露出し、「触手」が生えたような異形をさらすことがあります。現代では考えられませんが、蒸気機関車の黎明期の19世紀末~20世紀初めには頻発し、多くの写真が残されています。水蒸気が、戦車にも劣らない強靭な蒸気機関車のボイラーを引き裂く力を秘めていることに驚かされます。

 筒内に圧力をかけ、火薬の威力で中に詰めた砲弾を飛ばすのが大砲、火力で水蒸気を発生させ、その力で動くのが蒸気機関車。機能は別物ですが基本原理は同じで、どちらも圧力が高いほど強い出力を発揮できます。しかし爆発リスクと裏腹であり、高性能と安全性は常に危うい技術的バランスをとってきました。

Large 20231224 01
腔発したオーストリア=ハンガリー軍の10cmM14野戦榴弾砲1914型(画像:Kriegsarchiv Wien, Public domain, via Wikimedia Commons)。

 とはいえ火砲や蒸気機関車に限ったことではなく、現代の安全や安心は、過去の事故や犠牲の経験を重ねたトライアンドエラーの繰り返しで成り立っています。規制や規則は煩く感じるかもしれませんが、その背景があることを忘れないようにしたいものです。矛盾するようですが戦時だからこそ「安全第一」なのです。

【了】

【ショッキング…】ボイラー爆発で「触手」をさらす蒸気機関車

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  5. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス