「戦闘機の聖地」飛躍へ 日英伊の「次期戦闘機」いよいよ具体化 “日本の拠点”に

日英伊の3国による「次期戦闘機」開発の政府間機関を設立する条約が結ばれ、開発が具体化してきました。日本で開発を担う三菱重工も準備を着々と進行中。その拠点になるのは「戦闘機の聖地」ともいえる場所です。

アメリカ軍機の修理から始まった小牧南工場

 小牧南工場は愛知県豊山町に所在する、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所の工場の一つです。1952(昭和27)年に設立され、軍用機を作り続けてきました。

 第二次世界大戦に敗北した日本は、独立を回復した1952(昭和27)年まで、日本を占領していた連合軍最高司令部(GHQ)の定めた、いわゆる「航空機禁止令」によって、航空機の開発製造はもちろん、航空科学に関する教育や研究も禁じられていました。

 このため第二次世界大戦前から戦時中に零式艦上戦闘機の開発と製造などを手がけ、日本を代表する航空機メーカーのひとつとなっていた三菱重工業も、スクーターなどの民生品を製造して糊口をしのいでいました。

 しかし当時の玉井喬介社長は航空機産業の将来性を見通し、批判を受けながらも独断で航空機工場の施設や航空機開発に携わる人材を同社に残すことを決断。1952年にアメリカ軍から返還され、羽田空港と伊丹空港を結ぶ定期便の運航が開始された小牧飛行場(現県営名古屋空港)に隣接するエリアに、温存していた施設と人材を活用して工場を立ち上げました。これが小牧南工場のはじまりです。

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中央が小牧南工場。奥は県営名古屋空港の滑走路(画像:Google earth)。

 設立当初の小牧南工場はアメリカ軍機の修理を主な業務としていました。当時の三菱重工業はGHQからの指令により、三菱日本重工業、三菱造船、新三菱重工業の3社に分割されていましたが、そのうちの一つである新三菱重工業が1956(昭和31)年に航空自衛隊向けのF-86F-40「セイバー」戦闘機の最終組み立て(ノックダウン生産)を開始。第二次生産分からは国産部品も使用するライセンス生産を行い、F-86F-40の生産で中心的な役割を果たした小牧南工場は、航空自衛隊向け戦闘機を製造する工場としての地位を確立しました。

【愛称「三菱鉛筆」って!?】「戦闘機の聖地」生まれの戦闘機たち(写真)

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