「61式戦車はダメダメ」本当か!? 同時代の海外戦車と戦っても“案外強い” その根拠とは?

1961(昭和36)年に制式化された、戦後初の国産戦車である61式戦車。「防御力皆無」「設計が時代遅れ」「操縦が世界一難しい」など一般的な評価は厳しめなのが多いですが、同時代の外国製戦車と交戦したら、どうなっていたでしょうか。

起伏が激しく建物も多い日本なら勝てるか?

 最高速度だけ比べると、61式戦車はカタログスペック的には劣っていますが、加速性能では同世代戦車のなかで最高なので、不意の会敵で俊敏に位置取りができれば、実戦では劣らない(ちゃんと操縦できれば)と筆者(安藤昌季:乗りものライター)は考えます。

 なお、この加速性能に大きく影響を与える車体重量に関しては、M60が52t、「レオパルト1」が40t、「チーフテン」が55t、T-55が36t、そしてT-62が41.5tなのに対し、61式戦車は35tと軽いため、橋梁や道路インフラが貧弱だった当時の日本本土で戦うのであれば、運用範囲ではかなり勝ったのではないでしょうか。

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115mm砲を搭載する旧ソ連製のT-62戦車。運用開始時期は日本の61式戦車とほぼ一緒(柘植優介撮影)。

 これら数値の比較を鑑みると、61式戦車はヨーロッパのような、遮蔽物が少ない平原で同世代戦車と戦ったら、かなり不利だったと言えますが、日本本土防衛戦であれば、かなり戦力として役立ったと思われます。

 幸いにして、61式戦車は実戦を経験せずに完全退役を迎えることができました。トータルで560両が生産された61式戦車のうち、1両がヨルダン王立戦車博物館に展示されています。

 彼の地では今回比較した「レオパルト1」や「チーフテン」、T-54/55などと61式戦車が一緒に展示されているそうです。それら外国製戦車と並んだとき、61式戦車はどのように見えるのか、いつかヨルダンに足を運んで自らの目で見てみたいものです。

【了】

【初の外国博物館への収蔵!】これがヨルダンで展示されている61式戦車です(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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