【空から撮った鉄道】小田急ロマンスカー「VSE」ラストラン 17年間の最後を追う

小田急電鉄の特急ロマンスカー50000形「VSE」は、白いボディに連接構造、展望車を備えるなど、斬新なデザインを採用したフラッグシップ車でした。私はこれまでに何回か空撮しましたが、完全引退となった2023年12月10日も、空から狙いました。

この記事の目次

・特殊な構造が災いし17年の生涯に

・川、街、山… どこでも一際目を引く白い車体

・ラストランではヘリもお目見え

・私のラストカットはどこになる?

【画像枚数】全21点

特殊な構造が災いし17年の生涯に

 小田急電鉄の顔は何といっても特急ロマンスカーです。その特徴は乗客のニーズや時代によって変化し、20000形「RSE」のようにダブルデッカー車が連結されたり、展望車のない30000形「EXE」があったりと、様々なタイプが登場しました。

 2005(平成17)年、新たなロマンスカーとして誕生したのが50000形「VSE」でした。前代の30000形は展望車無しのボギー台車タイプであったのが、50000形では新たなフラッグシップをとのコンセプトで、ロマンスカーの伝統を踏襲して連接車となり、2階席運転台の展望車構造に戻ったのです。

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和泉多摩川駅付近。線路端といっても高架橋なのだが、脇に小学校があり、銀杏が午後の陽光で輝き、「VSE」に彩りを与えてくれた(2023年12月10日、吉永陽一撮影)。

「VSE」は白を基調とした流線型ボディに10両連接構造、外部デザイナーの起用など、唯一無二の存在として小田急が社運を賭けて世に送り出し、グッドデザイン賞、ブルーリボン賞など受賞しました。「VSE」は小田急の顔として君臨し、デビューから何年が経過してもなお、展望車はなかなか座席が取れないほど人気ぶり。まさにフラッグシップ車両らしい存在でした。

 私事で恐縮ですが、家族旅行の際に家族から「ロマンスカーに乗るならば『VSE』じゃなければダメ」と指定されるほどで、私は指定席を取るのに苦労したこともあります。これは身内の一例ですが、おそらく「VSE」を指定した方々は多いのではないかなと思うのです。この列車は、箱根旅行へ行く人々にとって憧れの存在だったとも感じます。

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「VSE」後継の最新型ロマンスカー70000形「GSE」。ブルーリボン賞受賞記念式典の様子(2019年10月、大藤碩哉撮影)。

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Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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