「鉄道の省力化3点セット」開発着々 2024年の鉄道どう変化 人口減少時代の試金石に?

ワンマン運転には高度な技術開発が不可欠

 JR九州が自動列車停止装置の一種「ATS-DK」をベースに開発したATOは、2020年12月から3年間、香椎線で実証運転が行われており、昨年8月の第三者委員会で安全性、停止精度、法令や社内規則との整合などが検討され、実用化が可能と結論づけられました。

 当面は車掌資格を前提とした社内資格「自動運転乗務員」が乗務する過渡的なものですが、鉄道業界において「前例」ができたのは非常に大きな意味を持ちます。香椎線の運用実績次第ですが、各社の導入計画が前倒しになる可能性も考えられます。

 BRTの「自動運転」も進んでいます。JR東日本は、2022年から一部区間でレベル2自動運転を行っている気仙沼線BRTで、今年秋をめどに日本初の最高速度60km/hのレベル4自動運転を行うと発表しています。

 レベル4とはドライバーの乗務を前提としない、無人運転が可能な自動運転です。運行区間は全長約73kmのうち約15.5kmに限られ、当面は係員が乗務して運行しますが、実績を見ながら拡大していくでしょう。

 またJR西日本は昨年11月から、広島県の西条~広島大学東広島キャンパス間でBRTの公道走行試験を行っていますが、1月中旬からは自動運転と隊列走行を行う本格的な実証走行を開始します。

 日本では東京BRTなどの都市型BRT、気仙沼線や日田彦山線のように被災路線のBRT化が知られていますが、JR西日本の取り組みは地方都市にフィットした、ある意味で本物のBRTです。「2020年代半ばの実用化」を目指すとしていますが、気が付けばあと1~2年。地方都市の風景を変え得る存在なのか。技術の熟成に注目です。

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気仙沼線BRT(乗りものニュース編集部撮影)。

 コロナ禍後の「鉄道のニューノーマル」が見えてきそうな2024年。今年サービスを開始するものだけでなく、どのような計画、方針が発表されるのかも楽しみです。

【了】

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