「能登半島地震」高速、鉄道、航空すべてに影響 年始の移動に大きな遅れも

2024年元日、グニチュード7.6(速報値)の「能登半島地震」が発生。日本海側を中心として広い範囲で年始の移動にも大きな影響が出ています。最初の地震から余震が相次いで発生し、実態把握や復旧を妨げている側面も。最新状況をまとめました。

高速道路は広域で通行止め

 2024年1月1日16時06分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6(速報値)の「能登半島地震」が発生し、石川県志賀で最大震度7を観測するなど非常に強い揺れを観測しました。日本海側を中心として広い範囲で年始の移動にも大きな影響が出ています。16時~17時30分の90分間で、震度5強の3回をはじめとする震度1以上の余震が19回発生し、実態把握や復旧を妨げています。

Large 240101 unko 01

拡大画像

能登半島地震の被害状況と情報収集を急ぐ国土交通省「災害対策本部」(中島みなみ撮影)。

道路

 高速道路各社は地震対策として独自の震度計を設置し、一定以上の揺れを検知すると通行止めとして被災状況の確認をします。21時現在も北陸道を中心に広域で通行止めが発生。道路に大きな損傷がなければ順次再開されますが、現状ではその損傷度合いも詳しくわかっていません。

・北陸道・日本海東北道(加賀IC~荒川胎内IC)
・東海北陸道(小矢部砺波JCT~白川郷IC)
・上信越道(信濃町IC~上越JCT)
・関越道(小出IC~長岡JCT)
・磐越道(津川IC~新潟中央JCT)

 国道や地方道でもパトロールを開始していますが、石川県では津波警報の解除を待って実施します。

鉄道

 新幹線でも、大きな地震では被災状況に関わらず、運転見合わせになります。21時現在、以下の路線で、見合わせが続いています。

・上越新幹線(東京~新潟) JR東日本
・北陸新幹線(長野~上越妙高) JR東日本
・北陸新幹線(上越妙高~金沢) JR西日本

 北陸新幹線では、富山~新高岡1本、新高岡~金沢3本のあわせて4本で駅間停車が発生しました。なお、JR東日本は上越新幹線の越後湯沢~新潟間について、元日は終日運転を見合わせるとしています。

 在来線では、JR東日本・JR西日本の以下の路線で、一部または全区間にて運転見合わせが発生しています。

・JR東日本=羽越線、信越線、上越線、白新線、磐越西線、越後線、只見線、弥彦線、米坂線、飯山線、男鹿線、五能線
・JR西日本=北陸線、高山線、氷見線、城端線、七尾線、越美北線、小浜線、大糸線、山陰線
・民鉄=北越急行、えちごトキめき鉄道、しなの鉄道、あいの風とやま鉄道、万葉線、IRいしかわ鉄道、富山地方鉄道、福井鉄道、北陸鉄道、のと鉄道

 なお、のと鉄道では施設被害の詳細を確認しています。北陸鉄道は路線バスについても全便運休しています。

空港

 比較的地震に強いと言われる空港にも影響が出ています。

 18時時点で最も影響が大きいとされているのは、震度6強の揺れにみまわれた「能登空港」です。滑走路の点検で路上に3cm以上の段差があることが発見され、地震発生後は欠航しています。いつ復旧するかについては不明です。

 震度5強の揺れにみまわれた「小松空港」と震度5弱の「新潟空港」、震度4の「庄内空港」は津波警報が発令されたため、空港の従業員や旅客がビルの上層階へ避難しました。

 その後19時30分現在、小松空港については自衛隊による点検が完了し異常なしを確認。富山空港、松本空港も被害なしが確認されています。新潟空港と庄内空港では津波警報が解除され次第、被害等の確認を始めることとなっています。なお、震度5弱の「福井空港」は被害はありませんでした。

【了】

【かなり影響広い】高速道路や列車の通行止め状況(画像)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。