羽田の航空機衝突「魔の時間」に何が 積み重なった悪条件 要因はどこに

羽田空港のJAL機と海上保安庁機との衝突事故は、事故発生の確率が高いとされる「魔の11分」に起きました。当時の状況を見ると、要因はひとつではなさそうです。

「見にくさ」も結構難しくさせた?

 一方、JL516便が300席超の大型機A350-900であり、海保機JA722Aが小型プロペラ機DHC-8-300だったという機体サイズの違いを指摘する声もあります。

 羽田空港はビジネスジェット機など小型機も発着していますが、そのうちの多くがジェット機です。また、小さい旅客機も多く発着していますが、ボーイング737やエアバスA320が多数です。

 A350-900の全長は66.8m、高さは17.5m、A320はそれぞれ37.6,と11.8m。しかし、海保のDHC-8-300は全長25.7m、高さは7.5mと、A320よりさらに小さいです。

 また、事故が起きた1月2日17時47分ごろは夜といってよい暗さです。このときの羽田空港は滑走路や誘導路のライト、間断なく発着する他機の灯火、駐機場の照明などが点灯していました。また、衝突した双方ともに航法灯と衝突防止灯をつけていたのも間違いありません。

 しかし、JL516便の操縦士は聞き取りに対して、海保機JA722Aを視認できなかったと話しています。他の照明とジェット旅客機が多い中で、小型プロペラ機の灯火は様々な明かりに埋もれて、着陸許可を得たJL516便から視認が遅れた可能性も捨てきれないのでは、と一部では報じられています。

 米国ではかつて、夜間に照明の中でいかに自機の存在を知らせるかを考える中で、滑走路で待機する際は、他機から見て滑走路の中心線を示す灯火と区別できるように、1mほど中心線から右か左にずらした位置に待機するよう議論されたことがあるといいます。

 今回の事故では、管制の無線通信がどのようになされ、乗員がどう理解していたのか、どうすれば互いの機体を視認できたのかとともに、夜の過密空港で互いの機体は視認しやすかったかの検証も必要と思われます。

「魔の11分」の怖さは、いつどこで何が起きるかわからないことにあります。それだけに、今後も緊急で必要な対策があれば、早急に取り組んでほしいと考えます。

【了】

※一部修正しました(1月12日16時14分)。

【写真】こんなことになっちゃうの? 凄惨極まりない「衝突後」の航空機残骸

Writer:

飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。

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