羽田の航空機衝突「魔の時間」に何が 積み重なった悪条件 要因はどこに

羽田空港のJAL機と海上保安庁機との衝突事故は、事故発生の確率が高いとされる「魔の11分」に起きました。当時の状況を見ると、要因はひとつではなさそうです。

「滑走路に進入していい」の言葉は決まっている

 羽田空港で2024年1月2日に起きた日本航空(JAL)のJL516便(新千歳→羽田)と海上保安庁のJA722Aの衝突事故は、航空機事故発生の確率が高いとされる「魔の11分」に起きました。離陸の3分間と着陸の8分間を指す「魔の11分」の要因は様々。正確な事故原因はJTSB(安全運輸委員会)の報告が待たれますが、今回は航空管制の無線における“用語”も、事故につながった可能性の1つとして挙がっており、国土交通省が緊急対策を打ち出すまでになっています。

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上がJALのA350-900、下が海上保安庁のDHC-8-300(画像:乗りものニュース編集部/海上保安庁)。

 離着陸前後の「魔の11分」は、突然のエンジン故障や鳥との衝突があり得ることから、乗員がもっとも緊張感をもち、世界中の航空界が常に注意を払う時間です。そのようななか、JL516便と能登地震による被災地支援に従事していた海保機JA722Aが衝突しました。

 この間、管制官と操縦士による無線交信が、基本的に英語で行われます。そして、過去のさまざまなケーススタディを経て、通常「離陸許可あるいは離陸許可の取り消し」以外は「Take-off」という言葉は使わないとされています。

 しかし、海保機には管制官の「Take-off」の言葉、つまり離陸許可は出ていなかった中で事故は起きました。そこで国土交通省は1月9日、緊急対策の1つとして、「Take-off」の代わりの文言と誤解されないよう、管制官から出発機へ離陸の順番を告げないようにしました。離陸順序を意味する「ナンバー1」の言葉が、「最優先で離陸していい」という許可と間違われないためです。

【写真】こんなことになっちゃうの? 凄惨極まりない「衝突後」の航空機残骸

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