能登の被災地にいち早く駆け付け 超ミニ自衛艦「ひうち型」のスゴさとは 「いずも」を引っ張れるって!? 実は海自の名脇役

メイン装備は船体中央の大型クレーン

 災害派遣で役立つ機能に挙げられるのが、人員および物資の輸送です。後部デッキはフラットな形状で、ここに各種コンテナやトラックを載せることができます。そのため、この部分は一段低く、人の乗り降りや物資の揚げ降ろしがしやすくなっています。

 しかも、物資やトラックの揚降用として、大型クレーンを船体中央に装備しています。これは、ひうち型多用途支援艦の最大の「武器」といえるもの。このクレーンを使えば、港に接岸する際に、船体と岸壁の間のクッションとして用いる防舷物や、人が乗り降りするためのタラップ(梯子)も自力で設置できます。

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接岸した多用途支援艦「ひうち」。タラップが設置されているが、船体後部が一段下がっており、舷側が低いのがわかる(画像:海上自衛隊)。

 加えて、ひうち型は船体下部の喫水線下に、バウスラスター(サイドスラスター)を備えています。これを使うことで、狭小な港でも回頭したり、タグボートの支援を受けることなく離着岸したりすることができるため、その点でも災害派遣に有用な艦だといえるでしょう。

 実際、今回の能登半島地震で「ひうち」は、ふ頭などに亀裂が入った輪島港にいち早く接岸し、運んできた救援物資を陸揚げしたり給水支援を行ったりしています。

 その後、金沢港へ移動し、そこでほかの護衛艦などが運んできた物資を搭載し、再び輪島方面へ運ぶといった任務に就いていることからも、前出したような「ひうち」の各種性能がいかんなく発揮されていることがわかります。

【緊急出港!】輪島まで自衛隊車両を載せてきた「ひうち」ほか(写真)

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