陸自「少しだけ残る有人攻撃ヘリ」今後どうなる? “無人機を主体に”方針のなかの選択肢とは
武装キットはどの機体につけられるのか 新型機導入の可能性は?
陸自の防衛力整備計画は、「最低限必要な機能を既存ヘリの武装化等で保持」としているため、陸自は今後、「H Force」のようなキットの導入、もしくはベトナム戦争時のアメリカ陸軍のM3やM5といった、同じく機関砲やロケット弾ポッドなどを用いると思われます。
しかし日本は、軽攻撃ヘリなどと呼ばれる機種や、本格的な武装キットを開発したり保有したりしたことはありません。
このため、武装キットを購入するのか、もしくは自主開発するかが注目されますが、同時にキットを付けるのはどのヘリか、にも関心が集まります。
筆者は、もし武装キットを後付けするなら、現在、陸自が装備する機種では海外で先例のあるUH-60「ブラックホーク」か、ベル・エアクラフト社UH-1をベースに、スバルと開発をしたUH-2「ハヤブサ」が候補になると見ています。
これから生産されていくことを重視し、機種数を増やさないならUH-2が本命になると思われ、その場合は、UH-1からAH-1が生まれた逆の過程をたどることになります。
しかし、エアバス・ヘリコプターにも、先述した武装キット「H Force」を装着した機体としてH145Mがあります。このヘリの当初海外でも使われていたモデル名は「BK117」であり、共同開発の一翼を、日本の川崎重工が担っています。
中国の覇権が予断を許さない中、早期の配備に重点を置くなら、ほぼ国内メーカーが開発したと言えるH145Mという選択肢もあり得ます。
既存ヘリの武装化は、防衛力の整備のみならず、昨今、強化が問われている国内防衛産業の均衡ある振興と保護に関わる可能性もあります。それだけに、行方に関心を持ち続けることが大切でしょう。
【了】
Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
>2023年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で
2022年2月でしょ
輸送攻撃を1つで両立できるコンセプト追及したのが東側のハインドヘリでは?