「羽田新ルート」このままでいいのか 都心通過なぜ必要? "滑走路1本で離着陸”リスクは衝突事故で浮彫りに
実は運航側&乗客にとっても問題アリ?
まず、「羽田新ルート」の設定においては、羽田空港近隣の飛行場への影響も発生しています。海上自衛隊下総基地と航空自衛隊入間基地の飛行経路は、羽田空港のルートが変わったことによって、こちらも変更を余儀なくされました。これはつまり、これらの飛行場の飛行経路同士が接近していることを意味しています。
また、新しい飛行経路は東北地方や北海道からの到着便には影響しないものの、実は西日本や沖縄方面からの到着便は、千葉から埼玉上空を周回するように高度を下げながら飛んだのち、低空で都心を通って羽田へ降りるので、飛行距離が長くなり所要時間が増加しています。
羽田空港への到着便は、およそ30%が北日本から、70%が西日本、南西方面から飛来します。
70%の到着便は従来よりも長い時間のフライトを余儀なくされ、これは燃料消費の増加を意味し地球温暖化防止に反します。さらに最終着陸コースに入る部分では米軍が管理する「横田空域」の中を通過しています。
また、「羽田新ルート」においては騒音を軽減するため、都心部上空では着陸時の降下角度が3.45度に設定されました。通常の降下角度は3度ですので、これはかなり急な角度で降りなければならないということです。
なお、騒音についても、経路直下の複数の測定所では東京都の環境確保条例を大幅に上回る騒音が計測され、東京地方裁判所において住民グループから訴訟が起こされています。
では、なぜ羽田空港はこのような運用とせざるを得なかったのでしょう。
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