ついに50周年「F-16」 初飛行前に非公式で“飛んじゃった”事件も? ここまで売れると誰が予想したか!

当初の補助的機体からベストセラーに

 F-16が正式採用された当初は、F-15を制空任務に専念させるための機体ということで、制空能力として欠かせない中距離の空対空ミサイル運用能力などは省略されました。また、全天候ではなく制限天候戦闘機として運用され、どちらかというと、攻撃機としての運用に特化した性能になっていました。
 
 しかしその後、1982年6月6日にレバノン南部のPLO拠点攻撃を目的にイスラエルがレバノン内戦に介入し、シリア空軍とベッカー高原で戦った際、F-16は同地区の航空優位を保つことに貢献します。たった1週間で44機のシリア空軍機を撃墜し、F-16は損害ゼロという功績をあげたのです。

 1980年代後半、全天候戦闘機のC型やD型が主力になり始めると、元々の設計意図とはかなりかけ離れた多用途対応のマルチロール戦闘機の代表格としての地位を獲得。世界屈指のベストセラー機になり、ライセンス生産などを含めると約5000機以上が生産されています。

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50年後を飛ぶ最新鋭機であるF-16ブロック70(画像:ロッキード・マーチン)。

 2023年1月24日には新型であるF-16ブロック70が初飛行に成功し、順次、購入国への配備が開始されています。ほかにも、ロシアの侵攻を受けているウクライナがデンマークやオランダで使用されていたF-16を求めるなど、同機の需要は依然として衰えていません。

【了】

【採用されなかったタイプも!?】見た目が全く違うF-16の試作機ほか(写真)

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