「漕がなくていい自転車」という電動キックボードの対抗馬 日本初「座り乗り特定原付」シェアサービス登場 バスの代わりにも?

むしろバスの代わり?

「電動サイクル」は、ペダル付電動バイクで定評のあるglafit(和歌山市)と共同開発したもので、glafitは個人用も発売を予定しています。電動キックボードよりも大きい14インチのタイヤで、自転車・バイクに近い重心の高さが特徴とのこと。工藤社長は「車輪の大きさは乗り越えられる段差の大きさに直結」するといい、長距離の移動も疲れを感じにくく、自転車に近い走行感で、安定した走行が可能だと話します。

 長距離移動に対応するため、航続可能距離は実質40kmを確保。さらに電欠で返却できなくならないよう、予備バッテリーまで搭載しているそうです。

 シェアサイクルは近距離のちょっとした移動に使われていると思われるかもしれませんが、これまでのシェアサイクルでも、60分以上の利用が25%もあるのだそう。こうしたニーズがあるなかで、自転車と“要普通免許”で乗れる車種との中間的なモビリティに可能性を見出しているといいます。

 電動サイクルはまず、1月30日から千葉市の幕張新都心を中心としたエリアと、さいたま市の大宮・さいたま新都心を中心としたエリアに200台ほどを投入。2024年中には地域を拡大しながら3000台まで増やしたい考えだそうです。

 千葉市の担当者によると、幕張新都心エリアでは様々な施設間の距離が離れているため、駅と施設の単純往復に留まり回遊が生まれていないこと、また京葉線と総武線の距離が離れ、その駅間をつなぐ路線バスの需要が集中していることから、バスを補完する役割も想定しているのだといいます。

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左から千葉市国家戦略特区推進課の吉野課長、オープンストリート工藤社長、さいたま市都市総務課の山田課長(乗りものニュース編集部撮影)。

 さいたま市の担当者も、バス路線が分断されたエリアの補完的役割もあると述べていました。工藤社長は、需要はあってもバス路線を引くまでには至らないような交通不便地域にも、「電動サイクル」を積極的に配置したい考えを示しました。

 ハローサイクリングのステーション数は全国7400箇所と、シェアモビリティサービスとしては日本最大で、利用者は295万人。その既存の自転車のラックやアプリなどをそのまま「電動サイクル」に使えるというのもメリットとして大きいといいます。ちなみに既存の電動アシスト自転車と比較した利用料金は次の通りです。

・電動アシスト自転車:利用開始30分130円、延長100円/15分、1800円/12時間
・電動サイクル:15分200円、4000円/12時間

【了】

【電動キックボードより安全?】これが「電動サイクル」乗車風景です(写真)

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