空自の輸送機から出てきた「消防車」フツーじゃなかった! 能登地震で真価発揮の“専用設計” 誕生は過去の教訓

2024年元日に発生した能登半島地震に対し、全国から救援部隊が駆け付けました。なかでも自衛隊機で迅速に運ばれたのが東京消防庁と横浜市消防局の小さなレスキュー車。これらは過去の震災の教訓から生まれた特殊な消防車でした。

能登半島地震の運用実績をフィードバックか?

 総務省消防庁は東日本大震災の経験から、2013年に横浜、浜松、京都の各消防本部へ大規模震災用高度救助車を配備し、緊急消防援助隊に関する活動体制の充実強化を図りました。横浜市消防局はARを「機動震災救助車」として、ERを「能見台震災救助車」として配備しており、今回の能登半島地震では共にC-2輸送機で空輸され、現地入りしています。

「救助工作車IV型」や「大規模震災用高度救助車」は輸送機に積載できるため、島嶼部での災害でも迅速に人と救助資機材を送り込むことができます。ただ、能登半島地震では陸路の多くが土砂崩れや盛土の崩落などによって通れなくなり、2000m級の滑走路を持つ能登空港も閉鎖されました。

 もともと険しい海岸線に囲まれ、山地がほとんどを占める能登半島は、県庁所在地である金沢市からも遠く、国道249号のような主要道路が寸断すると一気に「陸の孤島」となってしまいます。そのため、救助資機材や物資の輸送に必要な車両を入れることが難しく、被災地の救援を困難にしました。

Large 20240127 01
C-2輸送機で空輸されてきた東京消防庁の「救助工作車IV型」(画像:防衛省)。

 阪神・淡路大震災と東日本大震災の教訓で生まれた救助車両が今、能登半島で活動しています。ただ、次の災害に備えて1人でも命を助けるため、どのような方法がベストなのか、今回の教訓を踏まえ、改めて考え直す時期が来ていると言えるでしょう。

「救助工作車IV型」や「大規模震災用高度救助車」も導入から10年以上経っているため、もしかしたら、今回の能登半島地震での運用を基に、より高性能な空輸対応型レスキュー車が開発されるかもしれません。

【了】

【えっ、それ積んでいるの!?】大規模震災用高度救助車の搭載資機材をイッキ見

【ミリタリー】急げ、救え! 自衛隊「災害派遣」の現場にせまる!

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号